夢を正夢に

作:名無し

 人生で一番おめでたい時に鳴るという、あの鐘だ。 
 みんながみんな、心から祝福するかのような顔で、拍手をしている。 
 私と、私の隣にいる人に向かって。 
 そう、ここは結婚式場。花嫁は私。私は今、幸せの絶頂にいる。 
 そして隣に居るのは・・ 
 ちらり、とその顔を私は盗み見ようとしたその瞬間! 
 世界はその姿を大きくゆがめ、光を失った。 

「きゃあああああ!」 
 再び現れた世界は、先ほどとは対照的にやや薄暗かった。 
「・・・あれ?」 
 周りを見ると、そこはよく見慣れた場所・・つまり自分の部屋だった。そう、つまり・・ 
「夢、か」 
 私は大きくひとつため息をついた。 
 私は最近、幸せな夢をよく見る。 
 正確に言うと、プロデューサーとうまく「恋人」している夢をよく見るのだ。 
 ラストコンサートでふられてからもう何ヶ月も経っているのに、私はいまだふっきれていない。 
「もう、いい加減にしてよ・・」 
 自分の夢に対して、私は文句を言った。これではいつまで経っても私は前に進めない。 
「うっ・・げほっ!げほっ!」 
 不意に咳がこぼれでた。そういえば私は今、風邪をこじらせていた。身体も重たいし、熱もあった。 
「こんな時、プロデューサーが看病してくれたら・・」 
 そんな自分の呟きに、私ははっとした。いけない、こんなことを言ったらまた、夢に出てきてしまう。 


 ピンポーン。 
 と、その時インターホンがなった。 
「・・・・・」 
 私は動かなかった。家の人間が誰か出てくれる、と思ったからだった。 
 ピンポーン。 
 もう一度インターホンがなった。もう、早く出てよ・・って、あああっ! 
 私は思い出してしまった。両親が出払っている事に。夜まで帰らないと言われていたことに。 
「・・私が出なきゃ、ダメか・・な。やっぱり」 
 私は重たい身体を引きずりながら、玄関へ向かった。
何かの勧誘とか宣伝とかだったらすぐに追い返してやる、と思いながら。 
「はーい、どなたですかー?」 
 扉越しの私の問いに、耳を疑うような返事が返ってきた。 
「あ、春香か。具合、大丈夫か?」 
 聞き間違えようのない声だった。 
「プ・・ロデューサー・・ですか!」 
 ただでさえ高かった体温が、また一度くらい上がったような気がした。 

「どうだ、身体の調子は?」 
 部屋の中、私とプロデューサーは向かい合っていた。2人きりになって話すなんて、本当に久々だった。 
「あ、はい。まだ熱っぽいですけど・・もうすぐ治ると思います・・」 
「そうか、それは良かった」 
「あの、今日はお仕事、休みなんですか?」 
「ああ。ほんとは昨日とか早いうちに来たかったんだがな。・・あ、風邪に良さそうなもの、色々持って来たぞ。 
頭に貼って熱冷ますやつに、おじや。あと一応玉子酒も持ってきたんだが・・」 
「プロデューサー・・おじやって・・もしかして・・」 
「ん?ああ、俺の手作りだ。だから・・味はいまいちかもしれないが」 
 プロデューサーは照れくさそうに言う。 
「あ、いえ・・嬉しいです」 
「ん?そっか・・って、わーっ!」 
 プロデューサーが突然驚きの声をあげた。 
「え、ど、どうしたんですかプロデューサー?」 
「ど、どうしたって・・いきなり泣きだしたから・・」 
「え?」 
 言われてみて初めて、自分の頬を伝うものがあることに気づいた。それも両頬同時に。 
「あれ・・なんで私、泣いてるんだろ・・あははっ・・」 
 私は笑いながら、自分の両目を拭い続けた。 
 しかし涙は止まることなく、流れ続けた。 
 ここ数ヵ月の間に溜め込んできた悲しみが、全て流れていくようだった。 

 数時間後、私は再び目を覚ました。 
 一瞬また、先ほどのことは夢ではないかと疑ったが、右手に掴んでいる暖かい手が夢じゃないことを証明してくれていた。 
 カーテン越しに入ってくるオレンジ色の光が、プロデューサーの穏やかな寝顔を照らしている。もう夕暮れ時だろうか。 
 あの大泣きの後、私はプロデューサーにおじやを食べさせてもらった。
本人曰く自信がない、とのことだったが、とても美味しかったのを覚えている。 
 その後、「病人は、ちゃんと眠らないと」とプロデューサーに言われたため、私はしぶしぶベッドで横になった。
せっかくの時間を、寝てしまったらもったいない、と思ったからだ。 
 しかしその代わりに、私は良い事を思いついた。普段なら言いにくいわがままを、熱の勢いで言ってしまおう、というものだった。 
「たぶんこのままじゃ眠れないので・・私が眠るまで手を握っていてくれませんか・・?」 
 嫌な顔をされたらどうしよう、と思ったが、プロデューサーは優しかった。笑顔でそれに応えてくれたのだ。 
 私にとっては、久々に静かで幸せな時間だった。 
 そうしてそのまま私は眠ってしまったわけなのだが・・。 
「まだプロデューサーがいるってことは・・ぷっ!」 
 私はつい噴き出した。プロデューサーも、私と一緒に眠ってしまったのだろう。 
「くすくす。プロデューサーも疲れてたんですね」 
「うーん・・・」 
 私は軽く声をかける。しかし一向に起きる気配はなかった。 
「こら、いつまでも眠っていると襲っちゃいますよ」 
 私の冗談にも、やはり何の反応も示さない。 
「・・・・・」 
 その安らかな寝顔を見ているうち、不意に怪しい考えが浮かんできた。 
「・・本当に、襲っちゃいますよ?」 
 そういいながら、私はプロデューサーに身体をすりよらせた。
そしてまるで恋人同士のように顔と身体を向き合わせ、その顔を見つめた。

心臓が、うるさいほどに鳴っている。 
「ん・・」 
 気づくと、私はその唇に自分の唇を重ね合わせていた。 
 1度だけのつもりだった。
しかし1度あわせてしまうと、もう何度しても同じ、という考えに陥り、結局何度も何度も短いキスを交わした。 
本当は長くて濃厚なキスをしたかったのだけど、そうすると起きてしまうような気がしていた。 
「・・・・・」 
 キスの後、私はさらに良からぬことを考えた。・・考えてしまった。 

【良いよ、もう。 
 きっと今しないと、永遠に出来ないよ。 
 ばれたって、多分そんなに怒らないよ、プロデューサーは。 
 なんだかんだいって、プロデューサーも男だし、きっと始まっちゃえば本能には逆らえないよ。 
 ね、良いよね。私今身体弱ってるし。玉子酒とかお酒も飲んじゃったし。 
 だからきっと混乱してるんだよ。混乱してるから、変なことしちゃうんだよ。 
 仕方ないんだよきっと・・・】 


 怒涛の勢いで、私の感情が理性を説得した。 
 そして理性が何か言おうとしたその時にはもう、私の手は取り返しのつかないことをはじめていた。 
「確かこうすれば・・」 
 私の右手は、プロデューサーのズボンのチャックを開いていた。 
そしてそのまま、さらにその奥、下着の中へと潜り込んでいった。
うーん、私の右手は暴れん坊だ。・・私じゃないよ?私の右手が勝手にやりだしたんだから仕方ないよね。 
 暴れん坊の右手から、物体の感触についての詳細が、私の脳に送られてきた。
ちょっと熱を帯びていて、まるでこんにゃくに芯を通したようなもの、とのことだった。 
「こ・・これが・・」 
 もちろん私は・・じゃない、私の右手は、触るだけではすぐに物足りなくなった。
その物体をチャックの隙間から取りだし、直接見ようとした。 
・・見たのは、右手じゃなく私だけど。 
 ズボンからおずおずと出てきたそれは、思ったほどは凶悪な物体ではなかった。 
「これぐらいなら大丈夫・・って、わっ!」 
 顔を出したそれは突然、凶悪な姿に変わった。芯の通ったこんにゃくから、釘の打てるバナナへと変わってしまったのだ。 
「こ、こんなの、入るのかな・・」 
 思った以上に早い変化に驚きながらも、私はそのまま指でそれを弄りまわした。 
「あ、べトベトしてきた・・」 
 次第にそれは湿り気を出し始め、やがて樹液のようなものを纏い始めた。 
「なんたら液、だっけ」 
 名前を思い出そうと目を宙へ泳がせた瞬間。 
「っ!きゃあっ!」 
 不意に顔に熱いものがかかった。見ると、プロデューサーのモノが痙攣し、白っぽい液体を吐き出していた。 
「うわ・・精子・・プロデューサー、いっちゃったんだ・・。はやい・・のかな?」 
 どれぐらい痙攣するものなのかと見ていると、おもったより早くにそれは動かなくなった。
そしてまるで花が枯れるように下を向き、小さくしぼんでいった。 
「あ・・ちっちゃくなっちゃった・・って、だめだよ」 
 私は再び右手でそれを触り出した。そして左手には、自分の顔にかかった精子を救い、口に運ぶ役割を与えた。 
「苦い・・」 
 舐めてみると、苦く、変な味だった。しかし不思議と、味わうほどに妙な興奮と陶酔感を覚えていった。 
「プロデューサーの、だもんね・・」 
 その内、再びそれは固くなり始めた。
最初は指と指の間に挟んでいたのに、それでは収まりにくくなったため、それを手のひらの中心へと移動させる。
温度の方も、熱っぽい自分の体温より高い、と感じるほどになっていた。 
「と・・このままだとまた出しちゃうだろうから・・」 
 私は手の動きを止め、下を脱いだ。その際にちらり、とプロデューサーを見る。目は閉じたままだ。 
 もしかしたら起きているのかもしれない、と感じた。 
 もしかしたら起きていて、でも状況が状況だから目を開けないだけかもしれない、いや、そうに違いない、と思った。 

 だとしたら・・今しかないですよ、プロデューサー。 


 私はそんな思いで、ほんの少しだけ待った。 
 しかし動きがないため、私は決断した。 
「良いんですね、プロデューサー?」 
 私は小声で言った後、プロデューサーの上に乗った。出来るだけ体重をかけないように、静かに、だ。 
 そして互いのそれを触れ合わせ、ゆっくりと、本当にゆっくりとそれを埋めていく。 
「ふっ・・く・・!」 
 痛みと苦しさ、圧迫感があった。 
 しかしこの時の私にとっては、まるで自分の想いが試されたように感じ、むしろやる気が燃え上がってしまった。 
 ゆえに、途中からは一気に腰を落とした。 
「うくっ・・!」 
 大きな声は出さないようにと思っていたのに、つい出てしまう。 
「はあっ・・はあっ・・・」 
 荒い息が収まるまで、そして痛みが治まるまでの間、私はそのままでいることにした。 
「とうとう、結ばれましたね、私たち」 
 私は笑顔でプロデューサーに言った。 
 残念なことに、プロデューサーはまだ眠っている。・・いや、ここまでして目を覚まさない人なんているわけない。 
狸寝入りに違いない。しかしそれならそれで良い。私はプロデューサーを思うままに、好きに、するだけ。 
「動きますよ、はぁっ・・良いですか、プロデューサー・・ふふっ」 
 笑いながら、私は腰を上下に動かし始めた。 
 その度に痛みはあったのだが、喜びと興奮がそれを隠してくれた。 
好きな人とようやくひとつになれた喜びの方が、途方もなく大きかったのだ。 
「うっ・・!」 
 不意にプロデューサーが呻いた。と同時に、私の中に入ったものが膨らむのを感じた。 
「あ、いくんですね、プロデューサー・・良いですよ、そのまま出しても」 
 プロデューサーの顔がそれに反応したのか関係ないのか分からないが、かすかに歪む。 
 私はその顔をしっかり脳裏に焼き付けようと、顔を近づけ、凝視した。イク時の顔は、ぜひ見たかったのだ。 
「いい・・ですよ!いってください」 
 そう言うや否や、私の膣にあるものは限界まで膨張した後、熱を吐き出した。 
「あ・・あはっ・・!なか・・出てる・・・!」 
 中に熱いものが流れ込んでくるそれがスイッチになり、私は自分でも予想していなかった絶頂を迎えた。 
「あ・・あ・・・」 
 自慰の時では味わえなかった不思議な感覚に、私は戸惑いながらも、それを受け入れた。 
 まるで昼に見たあの結婚式のように真っ白い視界の中で、私は嬉しさと快感に酔いしれた。 


「ん・・うーん・・あ、春香・・?」 
 行為が終わってからしばらく後、プロデューサーはそんなことを言いながら目を覚ました。 
 起きていただろうに白々しい、と思ったが、しかし行為の途中で止められなかったということは、
少なくともそこまで私が嫌なわけじゃないことだ、という風に思えた。 
 そんな風に考えてしまうあたり、まさに恋は盲目なのだろう、と自分の事ながら思った。 
「あ、ごめんな、俺春香を眠らせたらすぐ帰ろうと思ってたのに・・そのまま寝ちゃってたよ、はは」 
 ・・・? 
 その顔と、言葉には違和感があった。 
 違和感といっても、演技っぽい、という違和感ではない。むしろ逆である。 
「あんなこと」をされた後の人にしては、妙に態度が自然すぎるというか・・ 
「いやあ、昨日やよいの曲の収録が遅れに遅れちゃってさあ。収録が終わった後も急いであちこち駆けずり回ってさあ。 
結局徹夜だよ。一日ぐらいならなんともないんだけど、もう三日ぐらい続いててさあ、ははっ。
まあおかげで何とか発売予定には間に合うそうで・・」 
 私の中で、何かがガラガラと音を立てて崩れていった。ま、まさかこの男・・。 

 そういえば以前、私をプロデュースしていた時も、なかなか起きなかったことがあった。 
 私が耳元で叫んでも、揺さぶっても、しまいには頭や肩を叩いても起きなかった。 
結局あの時は・・近くにいた男の社員さん何人か呼びあつめて、10分以上かけてようやく起こしてもらったっけ・・。 
「・・・・・」 
「な、何だよ春香。急に睨んで。いや、悪かったって。看病するつもりで寝ちゃったなんて・・」 
「いえ、良いんです・・」 
 私はひとつ、大きなため息をついた。 

 結局その後、プロデューサーは夜になる前に帰っていった。 
 私は精神的にも肉体的にもどっと疲れたため、身体をベッドに投げ出し、物思いにふけった。 
「あほだなあ、私・・ぷっくくっ」 
 勘違いしてしまった自分が滑稽で仕方なかった。 
「でも・・結ばれたことには変わりないもんね」 
 あの体温。あの感覚。 
 プロデューサーの、気持ち良さそうな顔。 
 私はそれを頭に描きながら、今日何度目かの、幸せな眠りに着いた。 




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