IDOL LOVER

作:名無し

  この間の事です。 
 私が相変わらず、久し振りに一緒に過ごす事のできた彼と、熱い夜を過ごして…と言っても、
また、一方的に私の恥ずかしい姿をさらけ出させられ、耳元で自分がどれだけ淫らかを囁かれ、
彼の優しい愛撫と、熱いもので狂わされて… 
 ”凄く気持ちいい、千早、素敵だよ、千早を抱けて、嬉しいよ” 
 という熱い言葉を耳元で受け止めながら、力尽きて、真っ白になった頭の奥で、私だけ熱くさせられてしまって…と思う、
満ち足りたような、はがゆいような気持ちの中でまどろみつつ、彼と一緒にベッドで眠っていた時の事でした。 

 私がふと、何か…そう、何かが私の下半身に触れているような… 
 というよりも、擦りつけられているような感覚を覚えたのは、真夜中のことだったのか、いつのことだったのかはわかりません。 
 深く、熱く感じさせられて、気を失ったかのように身体から力が抜けて、
心も身体も糸の切れた人形のようにベッドに横たわっていたのですから、
もしかしたら、情事が終わって間もないころだったのかもしれません。 
 私は、ぼうっと遠のいたままの意識の遠くで、その何かを感じていました。 

 ”ん…何…だろう…?” 

 何かが。何かが、私の脚を、這い回っているような…。 
 そんな感覚。 

 それは硬いようでいて、弾力があるしなやかさのようなもので…。 
 でも、間違いなく、とても熱くて。 
 それが時折、私のふくらはぎに押し当てられ、擦りつけられ、膝の裏へと添えられ、触れさせられている。 
 足先の指の先が、温かく柔らかい感触に包まれたかと思うと、
それは足先の全体に拡がっていき、爪先からくるぶしまでが瞬く間にそれで覆われるようで。 

  私が、ぼんやりとした深い淵の底から見上げているようなまどろみから、自分の意識を取り戻して、うっすらと目を開けたその時。 
 ”ん…!” 
 側にいたはずのひと、彼のその、のどの奥から搾り出すような呻き声が聞こえたかと思うと、
私の太腿の総てに感じられるほどの、熱くたぎったようなほとばしりがふりかけられます。 
 それとともに、辺りに立ち上る、彼の、男性の濃い香り、私が何度もお口で、
いえ、身体全体で味わったあの彼自身の、むせるような濃い香りが、わたしの鼻腔を犯すようで。 

 どうしたんです…?あの…? 

 そう私が、気だるさの残る精神をその香りに犯されながら、側にいるはずの存在、彼に対して視線を向けて訊く。 
 と、その途端に彼は、慌てふためいたような姿をわたしに見せると共に、
大きな身体を縮こめるようにすくませて、私の顔を見つめます。 
 というが早いか、彼は、ベッドに伏せられたままの私の手を取って。 

 ”ごめん、千早…ごめん!” 
 と、半裸の姿のまま、わたしに必死に謝り出しました。 

 私は、おかしな性癖の持ち主なのかもしれません。 
 何がなにやらわからぬまま、一生懸命謝っている彼の姿。
私がそれまで、一度だって見たことのなかった、彼のそんな姿を見て、
私はつい、小さき者を愛惜しむような気持ちになってしまったのです。 
 そう、それは今考えても不思議な感覚でした。 
 私にとって、ただのプロデューサーではなく、人生の先輩であり、私をしつけてくれた先生であって、
それでいて共に辛さを乗り越えた友でもあるような。 
 尊敬という言葉で語るのは単純すぎるぐらい、得がたい存在で、その背中をこの上なく頼りにしていた彼で。 
 今となっては、プロデューサーでなくなった今となっては、最愛の彼として私を支えてくれる彼。 
 そんな、背中を見ているばかりだったような彼が、私に必死に謝っているのです。 

  どう、したんですか…? 

 私は小さくなっている彼の裸体を、単純な疑問のままの視線で眺めながら、そう尋ねました。 
 が、彼は、それには答えてくれないまま、首を小さく振って、ベッドの側に置いてあった小さな浅黄色のタオルを手に取ると、
私の太腿にそれを優しく当てて、その匂いのもと――― 
そう、彼の男性の種を、丁寧に私の太腿から拭きとっていきました。 
 私はただ、その、私がこれまで見たこともないような量の… 
 そう、彼が戯れに、私の首筋に、薄い胸に、骨ばったおなかに、彼の男性の種を振りかけて、私の耳元で、 

 ”千早を汚してごめん、でもそうしたくてたまらなかったんだ…” 

 と囁いてくれたあの時より、はるかに多くの、濃い彼のものが私の太腿に振りかけられていて、
それが段々と拭き取られていくのを、瞬きもせずに眺めていることしかできなくて。 

 こんなに、男性って、出るんだ…。 

 そういう好奇と驚嘆の思い、そして暖かく嬉しいような思いしか、私の心の中には存在していなくて。 
 必死に謝っている彼を見て、逆に、何で謝るんだろう、という気持ちさえもあって。 

 どうしたんですか。何で謝るんですか。そんな、謝らないで、下さい。ね? 

  そんな、頼りにしていた筈の背中を持っている彼に対して、そんな彼を大きく包み込みたいような衝動を胸の奥で感じながら、
私はか弱い存在を落ち着かせて諭すような言葉を吐いたのです。 
 なんで私、こんなことを、生意気な言葉を言っているんだろう。 
 そう、思いながら。 

 でも。 
 彼はそんな私の言葉に腹を立てることなどまったくなく、ベッドから半身を起こした私の前で正座するように座ると、
手を付いて、頭を下げてまで謝りました。 

 そんな、謝らないで。私はただ、どうしたんだろう、って思っているだけ、ですから。ね。 
  
 私の言葉は、もうすっかり、まるで何歳も年上であるかのような口調になってしまったようです。 
 私がそう言うと、彼は却って落ち着いたのでしょうか、ベッドの上に起き上がっている私に近づくと、
背中に腕を回して、身体と身体を密着させるように―――いつものように抱き締めて、耳元で囁いてくれました。 

 ”うん…ありがとう…。でも、ちょっと、恥ずかしいので… 
 千早の顔を見ていたら、話せないかも…。いや、呆れられたらどうしようって思って…その…” 

 呆れませんよ。大丈夫。 
 あなたが、無知で勘違いすることしかなかった小娘にかけてくださった愛情を、私ははっきりとわかっているつもりですから。 

 でも。 
 彼が、ぽつぽつと話し始めてくれた、彼自身のことは、私にとって未知のもの。
やはり、少しびっくりしたものであった事には間違いないことでした。 

  これは何ていうんでしょうか。どういう趣味なんでしょうか。 
 なんかこう、私にとっては、簡単に「変態」とか、「マゾ」とか、
そういうステレオタイプな言葉では区切れないようなものを感じてしまったのです。 
 私の知らない、深遠な世界の趣味嗜好なのかもしれないな、と思いまして。 
 それは私のひいき目かもしれませんが。 

 ”初めはこう、自分にもよくわからなくて。そうなんだ。覚えているかい、千早。初めて君と出会った時の事を。” 
 はい。事務所の中の、真っ暗な部屋の片隅にひとりでいた私に、あなたが声をかけてくれて。 
 ”あの時だったと思うんだ。千早はあの時、俺の事を見て―――そう、怪訝そうな、警戒するような、
厳し目の鋭い視線で、俺の事を見ていたよね。 
  表情こそ、微笑を浮かべた時もあったけれども、鋭い視線で…さ” 
 はい、その節は大変失礼な、いえ、無礼なことで…。 
 ”いやいや、そんなことは思っていないんだ。それは前にも話したけれど、
全然気になんてしてない…いや、悪い意味では、なんだけど… 
  いやそうか、本当は千早にとっては悪い意味なのかもしれない…うーん…” 
 もう。自己完結しないで下さい、ね? 
 ”ああ、ごめん…。” 

 私は、軽く彼の首筋にキスを重ねると、彼の広い背中に回した手で、彼の背中を撫でてあげました。 
 落ち着きを取り戻したような彼が、深く吐息を吐き出して、続けます。 

 ”あのさ。あの時も、そう、その後もだけれどさ。 
 千早が俺に、厳しいもの提供するように求めてくれたり、高いものを望むような視線をまっすぐに向けてくれる度に…さ。 
 俺、何か、胸の中が興奮するような気がして。 
 それって、俺だってプロのつもりだったから、よし、千早に負けないぞ、やってやる!っていう意欲なんだろう、
とか俺は思っていたんだけれども…さ。 
 どうやら、違ったんだよな…。” 
 違うって。何が違ったんですか。 
 ”千早。千早は、仏像を見たことがあるよな。勿論。” 
 はい。 
 ”俺な、昔、仏像を見て、興奮して…その…。勃っちゃったことが、あるんだよ…” 
 え。それは流石に、不謹慎では…。 
 ”ああ、うん、場所によっては…確かにな。 
 でも、それは写真集を見ていたときのことだから、まあ…。 
 でも、なんていうかな…あの、まっすぐな、無表情でいて、厳しさと優しさを併せ持っているような、
美しいような顔を見ていたら、だ。 
 仏像って、色っぽいな…って思ってさ…。気が付いたら、物凄く興奮していたんだよ。” 

 仏像に、ですか。どういうタイプの性向なんでしょうか?これは。 
 はい、でも…確かに、綺麗な仏様もいらっしゃいますよね。それは確かに、私もそう思いますし。 
 そんな事を考えていると、彼がまた続けます。

  ”俺、どうも、そういう、ちょっと無表情で、険しい表情の綺麗な子が、物凄く好きらしいんだよ…。 
 それで・・・な。千早はその、そういう意味で、とても俺の好みで…。 
 それからというものさ。俺、千早に、表現力のレッスンを強いていた時期があっただろう。 
 千早は歌は上手いけど、こういうところが足りない、とかなんとか言って…さ。” 
 はい。ありました。大変勉強になりましたし、あの時の厳しさは、私にとっては本当にありがたかったものだと思っています。 
 ”うん…まあ、そうだけど…な。 
 俺…千早に…あの時から、実は千早に欲情していたんだよ・・・。 
 千早に、『もっと無表情に!』とか、『もっと冷たく!』とか『もっと冷静に!』とか言って、それをやらせておいて・・・ 
 後で、そのときの千早の表情や仕草を思い出して、夜に一人で…。 
 うう…。あああああああ…。俺って変態だぁぁぁ!ほんとにっ!” 

 た、確かにこの人、変態かも…?で、でも私も、十分変な小娘ですし、人の事を言えたものではないと思いますから、
笑ったり嫌悪したりするものではありません。 
 むしろ、好きな人が、私に自分の奥の深いところを語ってくれたことが、ちょっと嬉しいかもしれないですし。 
 でも…。 
 どう返答してよいやら、です。 
 ただ…やっぱり私は、私を大事にしてくれて、好きだと言ってくれてる人のことを、到底悪くなんて思えません。 
 ひとしきり取り乱した彼が、はぁはぁと弾む吐息を落ち着かせると、首を小さく左右に振って、
呪縛を振りほどこうとするかのような動作をしてから、また静かに続けました。 

 ”いやそのな…。千早が最近にこやかに接してくれるから物足りない、とかそういうんじゃないから…。 
 笑顔の千早は、それはそれでとても可愛くて…” 

 でも、物足りない、というわけですね。 

 私が思わず、ちょっと呆れ気味に突き放したような声色で、そう彼に言った時のことです。 

 びくん。 
 私と抱き合って、胸と胸、身体と身体をしっとりと密着させていた彼の身体の、
その…一部分が硬くなって、私の下腹に、つん、と突き当たりました。 
 え…? 
 私が思わず、肩をすくませてその刺激に驚いたような動作をすると、
慌てふためいた彼が、抱いていた私をぱっと離すと、慌ててのけぞります。 
 薄暗いベッドルームの光の中に、両手を後についている半裸の彼の姿が浮かび上がると、その、彼の腰のところで、そう・・・ 
 心なしか、いつもより大きく見えるような、彼の男性のあれが眼に入ります。 
 私は思わず、嫌悪感を表すよりも、冷静な観察者のような気持ちになって、そう、慌てふためいている彼を見つめてしまいました。 
 ああ、本当だ。大きくなってる。こうやってみると、男性ってとても不思議、と。 
 私が触っても、未熟な私の触れ方では、まだまだ彼には余裕があるようで、気持ちいいよ、
とか言ってくれても嘘にしか思えないぐらい平然としているのに…。 
 私が一言、さっきの言葉を吐いただけで…こうなっているのかもしれない、と思うと本当に不思議でなりません。 

 彼は、まじまじと見つめている私の目の前で、口を小さくぱくぱくと開けながら、
でもその私が観察するように見つめている、男性のそれを隠そうともしないまま・・・ 
 いえ、隠す事を忘れてしまったかのようなまま・・・ 

 そんな彼が、ぶるぶると頭を激しく振ると、その姿のまま、私に近づいて。 
 私の肩に両手をかけると、そのまま勢いよくベッドに私を押し倒します。 

 ”千早っ…!ごめん、軽蔑されるかもしれないけど、お願いだっ!” 
 は、はい…?何でしょう? 
 ”俺、もう、正直に言うっ!” 
 そう言うと、彼は、彼の思いのありのままを、包み隠す事も何もなく、私に総てを話してくれました。

 彼の話だと。 
 これまでにも、寝ている私の手に、彼のあれを握らせて擦らせていたり…。 
 寝ている私の頬に、彼のあれを押し当ててみたり…。 
 そうされることで、私がぴくんと身体を反応させるような仕草を見せると、ますます興奮していたり…。 
 そして、もう、押さえ切れないほどに我慢できなくなってしまった先ほどの彼が、
眠っている私の表情を見て興奮して、私の太ももに彼のあれを擦りつけていて… 
 そして…その結果が、さっきの…私の、太腿全部にかけられてしまったかのような、彼の男性の種、だったのです。 
 そんなことを、私の知らない間に、私がすやすやと眠っている間に、私に・・・。 

 ”軽蔑した…?いや、されてもしょうがないよな…。 
 でもな…もう、ついでだっ!もう恥なんだから幾らだっておなじだっ! 
 千早、一度で、一度でいいから…!” 

 一度で、いいから…? 
 何でしょうか。 
 私も、物凄く、興奮していて。 
 でも、彼の言葉を聞いてみたくて。 
  
 ”一度でいいから、俺とする時、何も反応しないでいてくれっ! 
 そう、冷たく、無表情でいいから、そのままじっと俺の事を冷静に見つめていてくれないか…!” 

 え。 
 そんな、本気です? 
 だ、だってその、私感じやすい方だし、その、胸が薄い分だけダイレクトに感じてしまうというか、
その…馬鹿…何を言わせるんですか…。 
 胸、触られたらびくんってなりますよ、いつもそうじゃないですか…。 
 第一、私に性の喜びを教えたのは、貴方じゃないですか…その貴方が何を仰るんです…。 
 感じ方を一つ一つ、レッスンの時と同じぐらい丁寧に、丹念に、私の身体に刻み込んで教えていったのは…もう…。 

 ”…や、やっぱり呆れた…よな、いや、そうだと思う、忘れてくれ…はは…” 
 私の上になって、私の顔を見つめている彼が、しゅんとなって・・・大きな男性の身体を、
今までに見たことのないほどの大きさに縮めて、俯いていて。 
 そんな姿を見せられたら。 

 あの…。一つだけ、いいですか。 

 ”何…?” 

 眼…閉じていては駄目ですか…。 
 開けていると、恥ずかしすぎます…。それと…努力はします…けど、声が出てしまったら、すみません…。 
 それで…良ければ…。 

  そうです。眠った振り、でいいんですよね。 
 考えてみれば、これだってレッスンと同じようなものではないでしょうか。
どんなことがあっても動じないとか、そういう…その…。 
 というのは自分に対するごまかしなのかもしれません、が…。 
 でも、彼のためですし。人の趣味なんてわからないものです、私だってその、
彼に抱かれて、あんなに気持ちよくなれるだなんて、夢にも思っていませんでしたし…。 
 いつだって、彼は私に良くしてくれていますし…。 
 そ、そうです、何事もなかったかのような素振りで、眠っているような振りで。それなら、なんとか、できる…かも。 
 無表情で見つめて、っていうのとは違います…けれど…表情を崩さないようには…。 

 ”千早っ…!” 

 私に覆い被さる彼。 
 私はゆっくりと、身体からの力を失わせて、まぶたを閉じて彼に身体を委ねました。 


 私のまぶたの裏に残る部屋の天井の残像がぼんやりとかすんでいく中で、彼がゆっくりと私を抱きかかえ、
ベッドの真ん中に横たわらせます。 
 そして、私の両手を取って、私のお腹の上で組ませます。 
 え…?こ、これって、お葬式の時の姿勢みたい、なんですが…? 
 と思うが早いか。 
 彼が私の、薄い布地の寝間着の胸元に手を置きます。 


 普段の私でしたら、彼の手が胸になんて当てられたら、今だにそれだけで身体がびくんと反応してしまうぐらいです。 
 が、私は唇の端を僅かにきゅっと噛み締めるようにして、身体が震えそうになるのを我慢します。 
 でも、彼の手の動きは、いつもよりも遥かに、丁寧で。 
 触れるか触れないかの距離で、私の胸の上を撫でられているかのような微妙な感覚に、
私は思わず、身を縮めて呻き声をあげそうになってしまいます。 
 彼の、大きく拡げられた手の平の、親指の付け根の肉の盛り上がりで、
私の、もう尖ってしまっている乳首の先端が擦られ、形を変えられている様が、眼を閉じている分だけ色濃く、
私の胸の先から伝わってくるようで。 
 人形のように横たわる私の胸の上で、傍らに座った彼の手が蠢いている様を想像するだけで、
私の胸は爆発しそうなぐらい鼓動し、乳首の先から頭の中にびりびりと電流が駆け巡るような感覚すら覚えます。 

 だ、駄目、声…で…でも…っ。 

 口の中だけで頬の肉を噛むようにして、必死で身体が反応しそうになるのを我慢します。 
 唇の端がじん、と痺れてくるほどに。 
 でも、容赦のない彼の責めは、私の胸を触るだけでは当然のように飽き足らずに。 
 もう片方の手が、そっと私のおなかに重ねられ、柔らかなおなかを、私の薄い胸を、彼の手が這い回ります。 
 彼のその手が、私の敏感な感覚の部分に触れるたびに、噛み締める力を深くします。 
 そうすると。 
 ふと、彼の手の動きが止まったかと思うと。 
 すっと、彼の身体の重みがベッドの上で移動したかと思うと、まっすぐに揃えられた、私の脚のほうへと動いたようでした。 
 次の瞬間、彼の手が、私の脚の膝裏に差し入れられたかと思うと、そのままくいっと持ち上げられます。 
 まるで、エアロビクストレーニングの時のように、私の右脚だけが天井に向けて高く上げられたかと思うと、
彼の、わずかに感じられる頬のざらざらとした感覚が、わたしのふくらはぎに伝わります。 
 それと同時に、彼の熱くなってきた吐息が、脚全体に絡み付いてくるようで。 

  ”はぁ…はぁ…千早…きゅっと締まっていて、綺麗な脚だよ…” 

 こんな事をしていても褒めてくれる彼の言葉に、本当にもう、私は胸がおかしくなってしまいそうなぐらいになってしまって。 
 彼の吐息がふくらはぎに触れ、そして食いつくような彼のキスが、かかとから段々とひざの方へと向かっていって。 
 瞬く間に、私の脚は、彼の唾液で覆い尽くされてしまうかのように嘗め尽くされて。 
 私もつい、足先の指が舐められる度に、ぴくん、ぴくんと反応してしまって。 

 そして彼が、私の下半身の方へと完全に移って行ってしまうと、今度は、私の両脚を抱え込むようにして、太腿の間に顔を挟みます。 
 いや、恥ずかしい…。 
 私はまだ、大事なところを見られることに全然慣れていないのに…。 
 でも私は、抗うことなんて、できるはずもなく。 

 でも彼は、いつも普通に私を抱く時のように、私の大事なところにキスをして、愛撫するのではなく。 
 ただひたすらに、私の両方の太ももで彼の顔を挟んで、頬を擦りつけていて。 
 でも、私も、彼のそんな、これまでにない愛撫を受けているということを閉じた瞳の奥で想像しているだけで、
おなかの奥がきゅん、となってくるようで。 

 太腿への、頬での愛撫を繰り返していた彼が、ふとその動きを止めます。 
 ”千早…。もう、濡れているね…?” 
 彼のその言葉に、私ははっとさせられて、同時にかっと身体全体が熱くなって紅くなるかのようで。 

 彼が私の太ももを割って、私の大事な所に顔を近づけると、彼の吐息が私の繁みの奥に直接吹きかかるようなぐらいに熱くて。 
 その吐息だけで、私のあそこから、とろりと雫がこぼれだしてしまいそうなぐらいで。 

 …っ…! 

 彼の舌が、熱くなりきった私の柔らかい唇に触れて、熱いキスを交わした瞬間に。 
 私は思わず、首を後に反らせて、ベッドに深くめり込ませてしまって。 
 でも。 
 髪の毛の先だけをぶるぶると震わせても。 
 声だけは絶対に出さないように、必死に耐えて。 

 あ…で…駄目…で…ああうっ…! 
 こ…え…出て…っ…! 

 大きくこそ出しはしませんでしたが、確かに口の端から声が漏れてしまってから、
はっと私は我に帰ると、身体を震わせながらも、彼のねっとりとしたキスと愛撫に必死に耐えます。 
 でも、耐えれば耐えるほどに、私のおなかの奥からはとめどなく快感が蕩け出すように流れ出て、
彼の熱い舌で舐め取られていくようです。 
 彼が、私の敏感な真珠を責め続けて。 
 それとともに、私の身体の中は、これ以上ないというばかりに燃えさせられて。 
 声を出すことを許されていないということ、身体を反応させてはならないということが、
私の身体を更に責めさいなませるかのようで。 

  ああ、駄目、駄目です、もう、私、い…く…っ… 
 あうっ…ん…っ…うんっ…!はぁんっ…ぁんっ…っ… 
 で、でも…声だけは…声だけはっ…あああっ…! 

 私はまた、頭を深く後に傾けさせて。 
 でも、必死に乱れ尽くすことを我慢して、眼をひときわ深く閉じるだけで、喉を絞るように唾液を飲んで。 
 背中から身体へ、そして足先にと、緊張と電流がびりびりと走って、身体全体が硬直するようで。 

 そして、次の瞬間には、総ての力が、私の身体からふわっと抜けてしまうと、そのまま頭の中が真っ白になってしまったのでした。 

 私の頭の中が真っ白に溶け切って、またどれほどの時間が過ぎたことでしょうか。 
 私自身、今までに体験した事がないような状況で責められたせいか、蕩けて呆けたような、
生暖かい空気に包まれて、ふわふわと浮いているような感覚が私の身体を支配していて。 
 いまだ朦朧とする意識の中、段々と自分を取り戻していく途中で、私は、私の頬に、何やら熱くなったものを感じていました。 

 え…な…に…? 

 それは、私の頬を突付いたり、押し当てられたりしながら、ゆっくりと頬肉に触れさせられています。 
 ぴったりと頬に吸い付いて、頬の上を這いまわるように動くそれは、
時々びくんと軽く震えながら、段々と私の唇の端に近づいてきて。 

 あ…これ…彼の…。 

 混濁していた意識が段々と透明になっていくにつれて、私の頬を擦っている彼のそれが、私の唇へと触れる面積を多くさせてきて。 
 唇の薄い皮膚を通して、彼の、熱くなっているものの暖かみが伝わってくるだけで、
わたしはまた、その状況に興奮してしまいます。 
 ついさっき、露をとろとろに零して気を遣ってしまったばかりだというのに、
私のおなかはまた、さっきよりも濃いどろどろとした蜜をこんこんと湧き出させていくようです。 

 今、私は。 
 眼を閉じたまま、脚をしどけなく拡げたまま、ベッドに横たわって。 
 あそこから溢れた露は、ベッドにシーツに染みまで作っていて。 
 胸はいつのまにか軽くはだけられて外気に触れさせられ、そこにはすっと、彼の手が伸びて、また私の胸を可愛がり始めていて。 
 そして、だんだんと深く、私の唇を犯すように触れさせられている彼の男性の硬いところが、
私の柔らかい唇を割り入るように入ってきて・・・。 

 と、一瞬、その時。 
 彼の動きが、ひた、と止まります。 
 唇に押し当てられた彼のものは、私の上唇と下唇に挟まれ、彼のものを軽く咥えているような状態のままで、止まっていて。 
 彼の敏感な先端が、私の上下の歯で遮られていて。 

 ああ、私、どうしてあげたらいいんだろう。 
 動いてはいけない、却って彼の興を削いではいけない、と思い続けて、唇の端を噛んで、一生懸命耐えていたけれども。 
 でも―――。

  彼のものを、私の口で愛してあげたい。 
 いつもよりもそう、強く思ってしまいます。 

 いつも、彼のを舐めて、拙いながらも精一杯の思いで咥えてあげていました。 
 視線までに彼への思いを込めて、していたこともありました。 

 でも、今は、こんなことをされているというのに。 
 いつもよりも深く感じて、いつもよりも深く彼のものを求めてしまう、私の心が確かにあって。 

 私は、つい―――。 
 唇の緊張を解いて、お口の力をふっと緩めると、彼のものを迎え入れられるようにすっと口を開いて。 
 それを感じたのでしょうか。もう、すぐに、はちきれんばかりの彼の大きなものが、私のお口の中へと入ってきて。 

 んんっ…ふうんっ…ん…。 
 んむっ…ん…うふ…ん…くっ…。 

 私は、口を開いてあげただけで、あとは彼の動きに、好みのままに任せようとしていたつもりでした。 
 でも、彼の吐息が荒々しくなるにつれて、次第に段々と私の口の中で暴れる彼のものの勢いが激しくなります。 
 それにつれて、本能的に拒むような反応を、舌が、喉がしてしまいます。 
 それは確かに、苦しさをもたらすものではありましたけれども、それとは別の、私の胸の中の衝動が。 
 彼のものを舐めてあげたい。彼の熱い、暴れるものを私の口で包み込んで、
口一杯に舐めて含んであげたいという欲望が、私の頭の中で煮えたぎるように湧き上がっていって。 
 私は―――ついに、その衝動に心が負けて。 

 んふっ…んく…っ… 
 ん、ん、んちゅっ…く…ん…むふぅっ… 

 私はもう、我慢できずに、彼のものを舌を動かして包み込んで、舐め始めて。 
 彼の先端のくびれに舌先を絡めて、舌腹で割れ目を柔らかく受け止めて。 
 するとますます、彼のものはふくれて大きくなって、更に激しく私の口を犯しはじめます。 
 でも私は、それを拒否することもなく、彼が私の口を突き入れる動きに合わせて、
彼のものを導くように舌を細めて幹に這わせ、びくん、びくんと脈動する彼のものにぴったりと密着させて。 
 そんなことをしながら、私は自分のされている姿を、閉じたまぶたの裏に思い浮かべていて。 

 ベッドに横たわる私。 
 圧し掛かるように上になっている彼。 
 動けない、そう、もし人形である事を命じられていなくても、ベッドと枕に頭を置かされ、逃げ場も与えられず。 
 彼の硬いものが私の口をゆっくりと、でも力強く上下して出しいれられ、ただ肉穴のように犯され続けています。 
 わたしの口から溢れ出た唾液は泡だってふくれ、唇の端から垂れ落ちて、どろどろの染みをシーツに作り出していて。 

 すると…。 

 ”ああっ、千早っ、駄目だっ…出るっ…いくっ… 
 もうっ…もうっ…” 

  その言葉を聞いただけで、私は全身の血液が沸騰しそうなぐらい興奮してしまいました。 
 ああ、やっぱり、いつもはそうじゃなかったのですね。 
 そうだったんですね。そうしてくれてたんですね。そこまでしてくれていたんですね。 

 ―――嬉しい。 
 嬉しいです。だから、一杯、好きなだけ、出して下さい…。 
 その気持ちを一杯に、喉で彼のを受け止めようとした瞬間に。 

 どぐっ。 
 どぐどぐどぱっ…。 

 そんな、鈍い音が、彼のものを伝わって、お口から直接聴覚に響くように、私の中に流れ込んできました。 
 それとともに、私の側で、膝立ちになって立っている彼の太腿が、私の肩に震えながら触れ続けていて。 

 ”あふうっ…い…ふ…っ…” 

 これまでにも、彼は色々な事を私に教えてくれたけれども。 
 私は一つ、また彼に教えられました。 
 相手が感じてくれている。それがとても嬉しくて、気持ちのいいことだということを。 

 どくどくと絶え間なく流し込まれるのではないかと思われるほどに続いた彼の射精が終わると、
彼は傍らのベッドの背板に手を付いて、はぁはぁという深い吐息をさせていました。 
 そして、しばらくすると、彼はゆっくりと、少しだけ柔らかさを取り戻した彼のものを口の中から引き抜きます。 
 私は、ただ、そうされるがままにそれを受け入れて。 
 ゆっくりと引きぬかれた後の唇を、自然のまま、半開きから段々と閉じさせていて。 

 舌の根元で受け止めている彼の熱い種を、すこしずつ喉で噛むように飲み干していこうとしたけれど…。 
 粘つく熱いものが、私の喉に絡み付いてきて、どうしても軽くむせそうになって、指先を震わせてしまいます。 

 すると。 
 彼が、私の背中に腕を回すと、そっと私の身体を抱き起こしてくれます。 
 そうしてくれる彼にされるままに、彼の肩口へあごを乗せて、腕と身体の力をだらりと抜き、
もたれかかるように抱きかかえられた私は、喉に絡まりかけていた彼の放出液を、自然に飲み込んでいきやすい姿勢になれます。 
 そうやって抱きかかえられているだけで、私はもう、胸の中が一杯になるぐらい幸せな気分になっていて。 

 抱き締めたい。私も彼を抱き締めたい。でも、今日は、彼と…。 
 約束したのだから。 


 彼は、私を抱き締めながら、私の背中を何度も何度も撫で続けていましたけれども、
しばらくすると、また再びベッドの上に横たえました。

  彼は、今度は、私の手をおなかの上で組ませたりはせずに、
ただ自然のままにベッドに伏させるようにして、私の身体を寝かせました。 
 私が彼の次なる行動について案ずるいとまもなく、彼が私の下半身に手を触れると、
まとっていた薄物を脱がせ、下着を手にかけ、私の腰を浮かせてそれをすっと剥ぎ取ってしまいます。 
 私はそれだけで、いつもとは違う、こんな抱かれ方をしているということを考えるだけで興奮しきっていて、
私の胸の音が身体の中で鳴り響きます。 

 上着も脱がされて、素裸にされてしまうのだろうか。
それだけではなく、全裸の私をゆっくりと観察されて、撫でたり、つねったり、噛んだりと弄ぶのだろうか。 
 そんなことをされたら。 
 それは、いつも彼が私の身体にしているような愛撫とおなじ事かもしれない。
でも、こんな、人形のように在ることを命令されている今の私に、そんなことをされたら、私はどうなってしまうのだろうか。 
 そんな事を想像するだけで、私の興奮はより深く高まっていくようです。 

 私の肩のすぐ側のスプリングが軋んで、ベッドが沈む。 
 もう片方の肩のわきも、また軋む。 
 私の胸元に彼の手が置かれて、薄物の上着の合わせ目に指先が絡む。 

 解かれる。 

 そう、思った時。 
 彼の手が広がって、大きな手が私の胸全体に当てられます。 
 そして、彼は、不安に脅える子供をいとおしむように、大きく拡げた手の平で、
軽く私の胸元を押さえるように、とん、とん、と繰り返して触れて。 
 私の唇が、彼の唇で覆われて。 
 つい先ほど自分の精を吐き出した私の口内に、彼が自分の舌をゆっくりと入れてきて。 
 次第に強く、貪るようなキスが、私の唇を奪っていきます。 
 彼の熱い舌が私の舌を巻き取って絡めとり、飲み込むように吸って彼の口の中で弄びます。 

 駄目、駄目、そんなに強くしたら、私、わたし―――っ。 
 抱きつきたい。彼に愛されている喜びを声にしたい。 
 脚を絡めて彼を捉えて、腕を回して彼の暖かさを味わいたい。 
 ベッドに伏している私の手の先までその思いが伝わって、衝動のままに動きたくなるような思いで、
私の指先がぴくぴくと震えているのがわかります。 
 すると、彼は、私の右の手首に手を伸ばして、それを彼の手の中に握り入れてしまうと、
私の頭の側に持ち上げさせて、ベッドに押し付けるようにして押さえ込みます。 
 私は、それだけで、彼を抱き締めたいという欲望までも押さえつけられてしまったかのようになり、
胸の中がせつない思いで溢れそうになってしまいます。 

 ―――と。 

 彼が私に濃厚なキスを続け、私の片手を押さえ込んだまま。 
 彼の身体が、私の脚を拡げるように割り込ませられてきて、もう片方の手が、私の太腿をそっと、でも力強く掴んで。 
 次第に脚を空に持ち上げられながら、彼の手が太ももの裏から膝裏へとするすると這わせられていって。 
 私の左脚だけが折り曲げられるように持ち上げられて、
それと同時に、ベッドのシーツを潤わせているほどに濡れきっている私のあそこに、
いつの間にか力強さを取り戻している彼のあれの先端が触れたかと思うと・・・。

  …っふうううっっっっっ…ふうふうふうぅぅぅっ! 

 声にならない、湿った音声。 
 彼の硬いものが、私の熱い中をゆっくりと犯していくと、
まるで弦楽器を奏でる時のように、私の身体から音色が絞り出されます。 
 声を出しちゃ駄目、絶対に駄目、そう思って身構えて、心の準備をしていたはずなのに、
私のそんな脆い決意が、彼の熱いものに犯されて、溶かされて。 
 ケモノのような、低く唸るような声が、私のおなかの底から絞り出されるように出て、その声にはっとさせられて。 
 私が、私が…こんな…発情した…メス猫みたいな…声を出して…っ…でも…でも…っ! 
 気持ちいい…こんな…初めて、初めて…どうして、私、初めて…っ! 

 今までだって、物凄く気持ちが良かったのに。自分の身体がこんなに感じるなんて、
今まで想像したこともなかったっていうぐらいに、彼の手で、身体に抱かれて気持ちよくなっていたはずなのに。 
 でも―――今は。今は。今までのが嘘だって思えるぐらい、それほどまでに―――気持ちよくて…。 
 ぶるぶると震えている私の身体。いけない、彼との約束、人形みたいにって…それなのに…それなのに… 

 ぁぁぁぁぅぅぅぅぅん…。 
 唸り声のような、吐息を搾り出すような声。 
 駄目…駄目なの…やくそく…っ…くぅぅっ…! 
 やくそ…く…して…ッ…やぶったら…駄目…イヤ…嫌われちゃうっ…いやぁぁっ… 

 と、そのとき。 
 彼が私を、強く抱き締めて。 
 頭を撫でながら―――深い、唇をかさねて、優しく繋がってくれて。 
 私の声を、我慢の足りない、約束を守れないはしたない娘の声を、受け止めてくれて―――。 


 私は、その瞬間に、頭の中が真っ白に浮き上がってはじけました。 

  白いもやの中に私の意識が漂ったまま、私は彼に抱かれていました。 
 でも、そう、ただ―――抱き締められていただけではなくて。 
 私の意識を戻したのも、そう、ゆっくりと…ゆっくりと私を犯している、彼の熱いもののじんわりとした感覚でした。 
 もやのかかる意識の中で、おなかの下のほうが熱くなっていて。 
 唇を奪われたまま、身動きできないほどに強く抱き締められて、そして犯されている人形の私。 
 ベッドの上に虚脱した身体を横たえて、両腕はだらりとシーツの上に伏し、
彼の動きが伝わると、それだけのためにびくんと震えます。 
 まるで、私の意識が、絡み合っている私の身体の中からすうっと抜け出て、
ベッドの上から冷静に観察しているかのように感じられて。 
 人形のように犯されているのだ、私は彼によって人形のように扱われ、
道具のように愛でられ、犯されているのだということが、直接頭の中に入ってくるようで。 
 人形である事を思い出させるような、彼のゆっくりとした行為が、
私の意識を取り戻させて、それだけではなく私の情欲を更に深くかき立てます。 
 彼のものが、私の中でゆっくりと動いている。
彼のものが私の膣肉にぴったりと密着して、奥へ、奥へとゆっくりと入って、熱い先端がおなかの下へとキスをする。 
 キスをするだけでなく、そのやわらかい所を突き上げて、深い奥の底まで犯される。 

 (あぁっ、いつも…いつもよりも深い…深いところまで…深いところまで入って…入ってる…っ…) 

 ぐちゅ、ぐちゅ、という彼のものが私の中をえぐる度に立てさせられる音が、卑猥な音と共に響いていて。 
 いつもより激しく、おなかの裏からめくれてしまいそうなほどに突き入れられて、私の中で、硬くて熱いものが暴れ跳ねている。 
 私のあそこのぬめりが溢れ出て、白いシーツにしみを作り、
とろとろに熱い中は彼のものでかき混ぜられてこねられ、おなかの奥でくちゅくちゅと泡立てられて混ざり合っています。 

 ああっ、駄目、ダメ、いくっ…私…こんな抱かれ方して…いっちゃう…気持ちよくって…いっちゃうっ… 
 変態だ、私…。こんな抱かれ方して…人形みたいに犯されて感じてる…気持ちよくなってる…私って…変態だ… 
 でも…でもいいの…気持ちいいの…凄くいいのっ…!突き抜けちゃうっ…おなかいっぱいに突き抜けて…飛んじゃう… 

 駄目、声、こえ、こえ…出ちゃうっ…でも…でも…我慢できないのっ…!  

 「 はぁっ、あぅん…ぁっ…ぁあっ…ひぅぅうぅううんっ…! 
 あ、あ、あ、あ、ああぁぁぁっ…ああああぅんっ…! 
 い…く………っ……!」 

 その瞬間、声と共に、私の身体はびくびくと震えて、私の精神はふわりと浮き上がって。 
 彼の背中に腕を回して力一杯抱き締めて、彼の脚に私の脚を絡めて身体の総てを密着させて。 
 その瞬間、私の中で、熱い膣肉の奥がきゅうんと締まって。 
 彼のものは、ひときわ大きく膨れ上がって、私の中で暴れて…そして、はじけて。 
 私の中の奥深く、そこに目掛けて、熱い、熱い私の胎内を満たしつくすほどの、彼の濃い男性の種が流し込まれて―――。 


 ああっ…私…約束…守れ…なかった…。 
 消えていく意識の中で、私は最後に、そんな思いを抱きながらも、快楽に溺れて沈んでいったのでした。

 優しい感じがする。 
 私の頭を、胸を、優しい感じが包んでいる。 


 「千早。」 
 「あ…。」 
 「ごめんな、変な奴で。―――呆れられたかもしれないけど、でも―――ありがとう。」 
 「はい…。」 
 「もう、こんなこと、言わないから…」 
 「もう…なんですか?」 
 「うん…勝手だった、って思って…さ。だから、もうしない、本当にごめん…。」 


 彼の唇にキスをする。 
 暗闇の中でも、どうしても間違えることのないキスをする。 

 「意地悪、です。」 
 「…え?」 
 「私をこんなに変態にしておいて、止めてしまうなんて…本当に意地悪ですね。」 
 「…って、千早…」 
  「意地悪の上に、嘘つきです。気持ちよかったとか、嘘ばっかり。今までずっと物足りなかったんでしょう。 
 それで、止めてしまうなんて。私をこんなにしておいて、止めてしまうなんて、
あなたはこれからずっと私に嘘をつく上に…もっと、酷い事をするんですね。」 
 「あ、あの、その…。」 



 じっと見つめる。無表情を装って。 
 「大好き、ですよ?」 




 私はまた、犯されました。 



―――終―――



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