無題

作:あずさ×真を支援します

「ふー!やっぱりレッスンで汗をかいた後のお風呂は気持ちいいな〜…。」 
ダンスレッスンを終えたボクとあずささんは、今、レッスン場の浴場で疲れを癒していた。 
「やっぱりー、お湯に浸かれるのは、ありがたいわね〜。」 
「そうですね、ここは他のレッスン場みたいにシャワーだけじゃなくて、 
 浴槽もあるのがいいですよね。」 
黒く艶やかなロングヘアーを洗い終えたあずささんが浴槽に入ってきた。 
ボクの無造作な短髪と違って、あずささんの長く豊かな黒髪は、 
白磁のような肌と相まってとても女性らしいなー。 
ボクも髪を伸ばしたら少しは女らしくなれるかな? 
でも… 
「んー?どうしたの〜、真ちゃん?こっちをじっと見ちゃってー。」 
「え?いや!あの、その…あずささんの…胸、やっぱり…大きいな…って、その…」 
そう、あずささんの大きな胸、いや、大きいだけじゃない、 
両腋から胸骨へ向けての完璧な稜線、重力と張りが調和した見事な量感、 
乳房から少し盛り上がった丸くて桃色の乳輪、その中心に控えめながら確実に主張する乳首… 
そんな、あずささんの胸の前に、むしろ胸には筋肉の方が多いボクの 
ささやかな希望は打ち砕かれてしまう。ははは…。 
「んも〜、真ちゃんのエッチ〜。うふふふ。」 
そう言いながらあずささんは、胸を両手で覆ってみせたけれど、 
隠しきれずにこぼれてしまう圧倒的なボリュームが、 
ボクの傷ついた心に追い打ちをかける。  

「ふう〜、真ちゃんはうらやましいなー。」 
天井を仰ぎながら、あずささんが言った。 
さっきからあずささんをうらやましく思っていたボクには意外な言葉だった。 
思わず聞き返す。 
「何がですか?」 
「ダンスよー。 
 真ちゃん、初レッスンの時からとっても上手でしょう? 
 私なんか、全然上手くならないしー、レッスンの後はいつも筋肉痛だし〜…」 
「そんなことないですよ。」 
とは言ったものの、あずささんのダンスが一向に上手くならないのは事実なんだよなー。 
「そうだ、真ちゃん、マッサージしてくれないかしらー?」 
言うが早いか、あずささんは浴槽の縁にタオルを敷くと、仰向けに寝っ転がってしまった。 
時々、急に素早くなるなぁ、この人。 
「ほら、この間ー、部活でマッサージの仕方教わったことがあるって言ってたでしょう? 
 だからー、お願い。」 
「はあ…分りました。」  

そ、それにしても…。 
ゴキュ… 
思わず、固唾を呑んで見とれてしまう。 
胸だけじゃない。腰から太ももにかけての豊かな曲線。 
それでいてしっかりと括れたウエスト。 
ボクは堪らず、目線をあずささんの顔の方へと逃がしてしまう。 
しかし、今度は細い首から鎖骨への美しいライン、 
うなじから二の腕にかけての滑らかなフォルムが視界に飛び込んでくる。 
そんな、身体をしどけなく横たえて瞳を閉じているあずささんは、 
まるで美術の教科書で見たような、女神様のようだ。 

「真ちゃーん、はやく〜。」 
はっ!? 
あずささんの急かす声に、ボクは我に帰った。 
なんだか、少しドキドキしてる。 
顔の辺りがぽおーっとしてる。 
今までに経験したことのない感じに戸惑いながら、 
ボクはあずささんにマッサージを始めた。 

あずささんの右足を手に取る。 
あ、足の爪にもマニキュア…えーっと、足の場合はペディキュアって言うんだっけ、をしてる。 
こういう所のお洒落に気を配るのが女の子らしさなのかなー? 
ボクなんか、ペディキュアはおろか、マニュキュアだってしたことないもんな。 
「あ〜ん。くすぐったいー。」 
指から足の裏にかけてのマッサージを始めると、 
あずささんは身体をよじってむずがった。 
「ガマンして下さいよ。マッサージは身体の先の方から中心へするのが基本なんですから。」 
と、たしなめてみても、 
「いやーん、だって〜。」 
と、何んだか色っぽい声を上げながら、あずささんは、尚、むずがり続ける。 
その度に、ぽよんっぼよんっ、と揺れるあずささんの両胸…。 
う〜、何かイケないことをしている様な、妙な気持ち。 
こらこら!真!何を考えてるんだ! 
ボクは、ユニットのパートナーであるあずささんの疲れを取るために、 
マッサージをしてるだけなんだぞ! 
それに、ボクもあずささんも女同士じゃないか…。 
ぶんぶん。 
ボクはかぶりを振って変な気分を追い払った。  

何とか両足のマッサージを終えて、次は足首からふくらはぎ、 
そして太腿へと、摩り上げるようにマッサージする箇所を移していく。 
あずささんの肌はしっとりと潤って、きめ細かく、手の平に吸い付くようだし、 
伝わってくる感触はどこまでも柔らかい。 
筋肉で筋張ったボクの脚なんかとは大違いだなー。はあ〜…。 
もう、あずささんもむずがることはなく、時々 
「はあー、気持ちいいわ〜。」と漏らすだけだった。 
ただ、相変わらずその口ぶりは妙に艶っぽかったりするんだけど。 
……………………。 
……………………………。 
……………………………………。 
「まあ!真ちゃんたら、大胆だわー。」 
「へ!?」 
しばらく無心でマッサージを続けていたボクは、 
最初、急に発せられたあずささんの言葉の意味が分からなかった。 
でも、あずささんと自分の体勢を見て、 
「すっ、すみません!!」 
理解した。そして、驚いた。 
うわー!  

両脚を大きく開いたあずささん。 
あずささんの両膝の間にしゃがみ込んで、 
あずささんの左腿を右脇に抱え込んでいるボク。 
いくら何でも、こんな格好させられたら、あずささんだって恥ずか… 
「別に、謝らなくても、いいわよー。 
 女の子同士なんだものー、恥ずかしがることないわ〜?」 
そう言いながら、あずささんは上体を起こし、 
「私こそ、変なこと言っちゃってごめんなさいね。 
 真ちゃんのやりやすいようにやっていいわよー。うふふふ。」 
右手を頬に当てながら小首を傾げて、ボクのことを上目遣いで見つめる。 
その視線と、ボクの視線とがぶつかる。 
瞬間、ボクの首筋の辺りがゾワゾワーっとした。 
な、なんだろう? 
いつもの、ほわーっとしたあずささんと違う感じがするよー。 
「それじゃー、続き、お願いねー。」 
あれっ?今のあずささんはいつものあずささん…ぽ…い…?  

再びあずささんは上体を倒し、ボクはマッサージを再開する。 
今更意識するのもおかしいから、体勢はそのまま。 
でも、この体勢で太腿のマッサージをしてると、どうしても目が行っちゃうんだ。 
……あずささんの、ヘアに。 
間から地肌が見える位しか生えてないボクと違って、 
あずささんのは意外に毛深い。 
でも、写真撮影の仕事できわどい水着を着ることの多いあずささんは、しっかりと整えてある。 
水気を含んで、しんなりとした茂みが、きれいな黒い逆三角形を形作っている。 
…やっぱり、女らしい人は、その下に隠れてる部分も 
胸なんかと同じように、形が違うのかな? 
とは言っても、自分のも、そんなにしっかり見たことないんだけど。 
そんなことを考えているうちに、両脚のマッサージ終了っと。 
……何で、両脚をマッサージしただけでこんなに疲れてるんだろう、ボク。 


「あずささん、次は、あの、おしりと腰のマッサージなんで、うつ伏せになってもらえますか?」 
「んー、はーい。……んしょ、と。」 
ボクが立ち上がり、一旦あずささんから離れると、 
あずささんは肘で上体を持ち上げてから、体勢をうつ伏せに変えた。 
「はい、どうぞー。ふふっ……。」 
何が可笑しかったんだろう? 
あずささんは組んだ両腕に顔を埋めるように置いてから、 
ボクを促すと、少し笑ってた。 
まあ、あずささんはぼーっとしてたかと思うと、急に思い出し笑いを浮かべる、 
しかも、その理由を聞いても、何が面白いんだかさっぱり分らない、 
なんてことがしょっちゅうある人だから、気にしないどこう。 
ボクは膝立ちであずささんの両足を跨ぐ。 
下を向くと、目の前に真っ白なあずささんのおしり。 
背骨の下端を頂点とした、逆さまの大きなハート型。 
染み一つない二つのお肉は、この間プロデューサーさんに連れて行ってもらった 
レコード会社の立食パーティーに出されていた、バニラ味のババロアに似ているかも。 
……おいしそう。 
って、人のおしりを見ておいしそうってのはおかしいじゃないか! 
ボク、さっきから、なんか変だよおー。  

両手の親指の先から手の平の下部を、あずささんのおしりのお肉の下側のラインに当てがう。 
そのまま、上へ向かって摩り上げたその時、 
「あん…く…ん。」 
あずささんが軽くうめき声を上げた。 
「あ!痛かったですか?」 
「ううん。違うの。大丈夫よー。」 
あずささんはそう言ったけれど、多分、痛かったんじゃないかな? 
勿論、ボクはそんなに強い力を込めた訳じゃない。 
ボク達の新曲「エージェント夜を往く」みたいなアップテンポの曲でしっかり踊ると、 
脚は当然、おしりの筋肉もかなり使うんだ。 
そうだ、そのことを教えてあげたら、あずささんの自信になるかも。 
「すみません。 
 でも、おしりの筋肉が痛いってことは、正しい身体の使い方が出来てるってことなんですよ! 
 だから、あずささんもこれからダンスが上手くなりますって。」 
「あらー、そうなのー?もし、そうだったら嬉しいわねー。 
 じゃあ、おしりは念入りにお願いしちゃおうかしらー。」 
よかった。言ってみて正解だったよ。へへっ。 
「わっかりましたー!じゃあ、痛いかもしれないですけど、ちょっとガマンしててくださいね!」 
そう言って、ボクはあずささんのおしりを再び摩り始めた。 
 
マッサージを続けつつ、ボクは気を良くした勢いで、あずささんに聞いてみた。 
「あのー、どうしたら、あずささんみたいに、女らしい体つきになれるんですか? 
 ボク、胸も小さいし、身体も細くてメリハリないし、脚もおしりも腕も筋肉が浮いちゃって固いし…」 
言ってて、自分で悲しくなってきたよ…。ううっ。 
「あらー、なんでそんなこと聞くのかしらー? 
 私は、真ちゃん、すごーく素敵だとおもうんだけどな〜。」 
「それって、男っぽい『カッコいい』って意味で、じゃないですか!? 
 あずささんには男の人からファンレターがいっぱい届くのに、 
 ボクに届くのは女の子からばっかりで、それも『真王子様!』なんて書いてあるし、 
 別に、女の子のファンが嫌いとか、要らないってことじゃないですけど、 
 ボクは、もっとこう、女の子らしく、かわいくって、きゃぴきゃぴってアイドルになりたいんです! 
 王子様じゃなくって、お姫様がいいんです!!」 
ちょっと興奮して、捲し立ててしまった。別にあずささんは悪くないのに…。 
「……………う〜ん。真ちゃんて、幾つだっけ?」 
両腕の間に埋めていた顔をボクの方に巡らせて、あずささんが尋ねてきた。 
「もうすぐ十七ですけど、十六です。」 
「でしょ〜?まだ十六歳なんだもの〜、 
 これから磨けばー、いくらでも女の子らしくなれるわよ〜。 
 自分の女の子っぽい所をたくさん見つけたりー、 
 女の子にしか出来ないことをいーっぱいやっていけばー、ふふっ、 
 真ちゃんは、絶対かわいい女の子になると思うわ〜。」 
「ホントですか!?」 
嬉しい! 
生まれてからずっと、親父には「男らしく」って育てられて来たボクが、 
ラブレターもバレンタインのチョコも女の子からしか貰ったことないボクが、 
女の子らしくなれるって言ってもらえるなんて! 
 
「でも…、『女の子しか出来ないこと』って、具体的に何をすれば…?」 
ボクの喋り方が女の子らしくないのは分ってるけど、他には……服?アクセ?お化粧?食べ物? 
なんて、考えを巡らせていると、 
「そうね〜?取り敢えずー、『女の子らしくなるマッサージ』 
 って言うのはどうかしら〜?ふふっ。」 
あずささんが、ボクの想像だにしなかったことを言った。 
「!?そんなマッサージがあるんですか?」 
「あーるーのーよ〜! 
 そうねー、疲れを取るマッサージしてくれたお礼に、 
 今度は、私が真ちゃんにそのマッサージをしてあげるわー。ふふっ。」 
うわー。そうしたらボクもあずささんみたいなプロポーションになれる!? 
「さ、じゃあー、ちょっと後ろを向いてー…。」 
「あ、でも、まだあずささんのマッサージの途中ですよ…。」 
早く『女の子らしくなるマッサージ』ってヤツを受けてみたいけど、 
やっぱり、中途半端はよくないよね。 
ところが… 
「え!?あ、あー。わ、私はもう大丈夫よー! 
 えーっと、ほら、疲れてたのは下半身だったのよー。 
 真ちゃんが言ったみたいに、きちんと踊れてたってことかしらねー、ふふ、ふふふふふー。」 
あずささんは、もう充分だと言う。 
それなら、お言葉に甘えちゃおうかな。 
「そうですか。じゃあ、お願いします。へへっ。」 
そう言って、ボクはあずささんに背中を向ける。 
あずささんはボクの二の腕両方ともを掴んで、 
「はーい、まずはー、こうして腕を後ろにまわして、両手の指を組んでもらえるかしら〜?」 
軽く背中の方へと引っ張った。 
ボクは言われた通り、後ろ手に指を組む。すると… 
ぎゅっ。 
へ? 
この感触は、タオル? 
で、縛られたの?手首を? 
ええええええええええええ〜!?  

「なっ、何を…!?」 
事態を把握しきれない内に、更なる拘束感がやって来た。 
あずささんの両腕が、後ろ手に回された腕ごとボクを抱きしめた。 
背中に押し付けられた、柔らかな感触はあずささんの胸…? 
次に、ボクの右耳の後ろに何か触れる。 
ちゅう…。 
すっ、吸われてる!?あずささん、ボクの首筋にキスしてる!? 
あずささんに、どういうつもりなのか問おうとする。 
「どうい…」 
ちゅ〜。 
あずささんが吸う力を強めた。 
「うっ…こっ!?」 
あずささんの唇が当たっている部分から生じて、 
背中側を駆け抜け、腰の辺りまで達した、 
粟立つような感覚の細波が、ボクの言葉を遮ってしまった。 
でもこれで、問いを発することは出来なかったけど、 
何がおこっているのか、あずささんがボクに何をしようとしているのか分ってしまった。 
分ってしまったけれど、信じることが、受け入れることが出来ない。 
確認しないではいられない。 
ボクは身体の内側に襲い来る波になんとか抗い、声を絞り出す。 
「これ…って…っま…ッサージじゃ、な…? 
 ダメ…です…て…やめえく…だ…。 
 という…かんっ…あずさっさん…レ…ズビ……あん…?」  

あずささんは質問に答えてくれなかった。 
そして、ボクの首筋に口を当てがったまま、吸うのをやめて舌を出し、 
右耳の裏からうなじを通って、肩のラインへと、唇と一緒に舌を這わす。 
唇と舌の感触よりやや遅れて、その軌跡をたどる様に、例の波が次々と生まれる。 
その波がボクの身体の中で、互いにぶつかり、増幅されながら腰の辺りまで達する。 
すると、一旦お腹の下の辺りで収縮し、熱を帯びたような感覚に変る。 
そして、再び波に変わると、内腿から爪先へと通り抜けていく。 
それとは別に、頭の中も白く、痺れるような刺激に覆われて来る。 
ダメ、ダメだよー! 
あずささん、こんなのダメですって! 
なんでダメなのか、よく分んないけどダメ〜! 
ボクは、何とかあずささんの束縛から逃れようとしたけど、 
「んっ…はあ!」 
力が入らず、身体を少し揺すぶって、口から意図しない吐息が漏れただけだった。 
にも拘らず、ボクを抱きしめていたあずささんの腕が緩んだ。 
一瞬の、安堵。 
その後の、驚異。  

ボクの左右の腋の辺りに、あずささんの手の指先がそれぞれ触れた。 
そのまま、ゆっくりと胸の中心へ向かって動き出し、 
両手の指先が出会った所で元の位置へと帰って行く。 
途中でボクの乳首の上を通る時、あずささんの中指と薬指は、ギリギリの所で跨いで過ぎる。 
……わざと避けてる? 
ううっ、そうされると、余計に乳首へと意識が…。 
ジン…ジン…ジン…ジン…。 
心臓の鼓動に合わせるように、乳首が熱く痺れる。 
何度目かの往復の時、あずささんの指が、それまでよりもボクの乳首へと近づいた。 
……それでも、やっぱり跨いで行く。 
その瞬間、ボクの口から 
「あ……。」 
声が漏れてしまった。 
すると、いつの間にかボクの左首筋へと唇を移動させていたあずささんが、耳元で囁いた。 
「うふふっ、か〜わいい……。」 
そして、ボクの身体を貫く電撃……! 
「んアん……!?」  

あずささんは、それまでの指の往復をやめて、 
両手の薬指と中指の間にボクの乳首を挟み込むと、 
そのまま、円を描くように摩り出した。 
あずささんの手の温かさが、揉み込まれるように、 
ボクの体内へと染み込んで来る。 
「はあ……んふう……あ……あふ……っふあ……。」 
ボクは、あずささんの手の動きに合わせて、知らず知らずのうちに、 
自分でもビックリするような、いやらしい声を上げていた。 
乳首が、熱い、痛い、疼く、痺れる―――――― 
気持ちいい……。 
ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだ! 
女の人にキスされて、おっぱいを弄られて、 
気持ちいいなんて、あり得ない! 
だって、ボクは、女の子……。 
「ねえ……真ちゃん……。 
 今、真ちゃんが体験していることこそー 
 『女の子にしか出来ないこと』なのよ〜。」 
混乱しているボクの耳元に、あずささんが囁いた。 
「っそん……な……ん……はあ……。」 
(そんな、ばかな!)と言おうとしたけど、まともな言葉にはならなかった。  

あずささんは、言葉を続ける。 
「気が付いて……ねえ……真ちゃん……。 
 女の子らしさって……一つじゃないの……。」 
言葉の間に漏れる、あずささんの熱い吐息がボクの耳に届く。 
「真ちゃんの……、 
 その切ないハスキーボイスも…… 
 敏感なおっぱいも……」 
あずささんの右手がするすると下りて来る。 
「この縦に割れたきれいなお腹も……」 
中指が、おヘソをなぞって、さらに下り、 
「きゅんっと上がったおしりも……」 
おしりへと回って、 
「しなやかに引き締まったこの脚も……」 
太腿を外側から内側へ、つーっと辿る。 
「みんな……み〜んな……素敵で……きれいで……可愛くって…… 
 真ちゃんが……魅力的な女の子の証なの………。」 
そこまで言うと、あずささんが、ボクを後ろから抱きしめた。 
さっきみたいな、押さえつけるようなやり方じゃない、 
優しく包み込むような抱擁だった。 
「それで、それでね……真ちゃん……。 
 私は……そんな……素敵で……きれいで……可愛い真ちゃんが…… 
 好きなの……好きで好きで堪らないのー! 
 愛しちゃったのよー!!」  

あずささんのその言葉に、ボクの心の中の何かが溶けたみたいだった。 
ボクは、今まで男みたいに育てられて来た。 
悲しいけれど、男の人に告白なんてされたことがない。 
女の子に、告白されたことはあるけど、 
それは多分、ボクの男っぽい所に幻想を抱いてたんだと思う。 
そして、アイドルとしてデビューしてからは、 
事務所の方針として、ボクのそんな所が「売り」の一つになっていた。 
そんなボクのことを、あずささんは、 
素敵だと、きれいだと、可愛いと言ってくれている。 
女の子として見てくれている。 
愛してくれている。 
はあ…………………。 
何だか…………胸が苦しい。 
ああ…………でも…………あったかいな……。 
……嬉しい? 
そうか……ボク、嬉しいと思ってる……。  

「あずささん……タオルを外して下さい。」 
さっきまでと違って、何故か、滑らかに、冷静に言葉を発することが出来た。 
「えっ?あ、あー、ご、ごめんなさい! 
 私ったら、自分の気持ちが抑えられなくて…… 
 自分勝手に……こんな酷いこと……真ちゃんに……。 
 すぐに解くわね。」 
あずささんは、酷く慌ててボクの手首を縛っていたタオルを解いた。 
自由になった手首に軽い痺れと、両肩に少し痛みがあった。 
後ろを振り返ると、あずささんが胸の前で両手にタオルを握りしめ、 
怯えたような、悲しいような表情を浮かべていた。 
「ほんとーに、ごめんなさい! 
 やっぱり、女の子にこんなことされちゃうなんて嫌よね?怒るわよね? 
 もう、二度と、二度としないから…… 
 だから、真ちゃん、泣かないで……。」 
えっ?泣かないで? 
ボク泣いてなんか……。 
でも、自分の頬に触れると、湯気で出来た水滴とは違う雫が流れていた。 
ふ、ふふっ、ふふふふふっ、へへっ! 
ああ、ボクもあずささんを好きになっちゃったんだ……。  

「ごめんなさい、ごめんなさいね……。」 
こう繰り返し、ボクとは違う理由で泣き出しそうなあずささんに、ボクは近寄った。 
「違うんです、違うんですよ、あずささん。 
 怒ってなんかいません。 
 タオルを外してもらったのは、ボクのことを好きだと、愛していると言ってくれる 
 あずささんに、ボクも応えたかったからなんです。」 
そう言うと、ボクの方からあずささんを抱きしめた。 
そして、あずささんの眼を見ながら告げる。 
「ボクも、あずささんを好きになっちゃいました……。」 
長い睫毛に縁取られた瞳が、大きく見開かれた後、 
あずささんの顔が、今度はボクと同じ理由で、泣き出しそうな表情に変わった。 
「ま……こと……ちゃ……ん。」 
あずささんもボクを抱きしめた。 
「あずささん……。」 
瞳を閉じて、お互いの唇を重ね合わせた。 
ボクの眼から、また涙が零れた。  

あずささんがボクの下唇をくわえ込む。 
強く、弱く、強く、弱く……。 
「ん……んふぁ……んふ……んん……。」 
ボクはあずささんの上唇をくわえ込む。 
強く、弱く、強く、弱く……。 
「んうん……んま……んふっ……っふぁ……。」 
段々とお互いの唇の密着を高めて行く。 
ボクは貪るようにあずささんの唇の感触を求める。 
すると、あずささんの舌がボクの口の中へと入り込んで来た。 
ボクはそれを自分の舌で絡め取るように迎え入れる。 
甘く、暖かく、柔らかい感触がボクの身体の中へと広がって行く。 
まるで、あずささん自身がボクの口から注ぎ込まれてるみたいだ……。 
ボクもあずささんを味わいたいよ……。 
あずささんの舌を伝うように、自分の舌を伸ばして行く。 
にちゃり……ぬちゃ……ちゅ……にちゅ……。 
ボクとあずささんの唇の間で、二本の舌が 
舐め、舐められ、吸い、吸われ、捻れ、絡み合う。 
もう、どこまでが自分の口で、どこからがあずささんの口なのか、 
とろとろに溶けちゃったみたいで、境界が分からないや……。 
ああ……好きな人とするキスって、こんなに素敵なんだ、気持ちいいんだ……! 
もっと……もっと……もっと、あずささんを下さい……。 

「っぷあ……。」 
一頻り求め合うと、あずささんは唇を離した。 
「はああ……。」 
恍惚と名残惜しさから吐息が漏れた。 
「うふふっ。素敵なキスだったわ、真ちゃん。 
 でもね、まだまだ、これからよー。 
 これからもっと気持ちよくして上げるわねー。」 
そう言うと、あずささんは体重を預けるようにして、ボクの身体を倒し込んで行く。 
ぼくは、そのまま身を任せ、仰向けに倒れた。 
……もっと……気持ちいいこと……って……? 
とくん、とくん、とくん……。 
期待にボクの胸は高鳴る。 
あずささんはボクに覆いかぶさる様にして、顎から首筋へ舌を這わし、 
時々口付けを交えながら、徐々に下へと移動して行く。 
そして、ボクの右乳首をくわえた。 
「はあんっ!」 
衝撃的な快感が、頭の先から爪先まで駆け抜ける。 
ぴちゅっ…ちゅ〜…ぬちゅっ…ちゅっ…ぷちゅ…。 
ボクの乳首を、あずささんの舌が、なぞる様に這い、舐め上げ、 
唇が挟み込み、吸い込み、また舌が這う。 
「あんっ…んはっ…うんっ…はうっ…ふあっ…ああ…。」 
あずささんの舌の動きに操られる様に、ボクは言葉にならない悦びの声を上げる。 
「そうよ、感じるままに哭てー、真ちゃん。 
 もっと、もっと、私に真ちゃんの一番素敵な歌声を聴かせて……。」 
そう言って、あずささんは唇をボクの左乳首へと移した。 
そして、左手はボクの右の胸へと伸びる。 
「んっああー……!。両胸とも……すごっ!……ああ!」  

両胸から全身に駆け巡る熱く痺れるような衝撃に、 
さっき縛られていた時みたいな、痛みや恐怖感はもうない。 
あずささんを、そして、あずささんを好きな自分を受け入れた今は、 
ただひたすらに、気持ちよさと悦びだけを感じられる。 
「はああん…ああ…あんっ…ふああ…はあ…あっく…あはん…。」 
快感に身を捩るボクの声がお風呂場に響き渡っている。 
……響き渡っている……はず……なんだけど……。 
「あうう!あはああん……!ああっ!」 
自分の声が段々遠くに聞こえて来た。 
眼もチカチカして来て……。 
なんだか、なんか……!!……なんか!? 
「まだ、だめよー。」 
突然、あずささんが口と手を止めてしまった。 
火照りと疼きを残して、快感の波が引いて行ってしまう。 
ああっ……もっと欲しいのに……。 
「はあっ…どうして…はあっ…あずささん?」 
「うふふ。イクのはまだ早いわよー?真ちゃん」 
「イク……?」 
「そうよー。やっぱりー、イクなら〜こっちでね。」 
言いながら、あずささんは後ずさりすると、 
「あ!」 
両手でボクの膝を持ち上げる様に太腿を大きく開いた。 

ボクの股間があずささんの目の前にあられもなく晒される。 
そこをまじまじと見つめるあずささん。 
うわー、今更なのかもしれないけど、やっぱり恥ずかしいよー。 
身体の、特に顔の辺りの火照りが更に増すのをはっきりと自覚してしまう。 
「あらあら、まあまあまあー。うふふっ、すごいわ〜。」 
感心の為なのか、感嘆の為なのか、よく分からない感想を漏らしながら、 
あずささんはボクのアソコに目を向けたままだ。 
なんだかいたたまれず、 
「そんな…に見られちゃうと、恥ずかしい…です…よ。」 
訴えると、あずささんは 
「だってー、真ちゃんたら、凄くとろとろに濡れちゃってて…… 
 しかも、見てるそばから、中からお汁がつーってたれてくるしー。」 
そう言って、右手をボクの膝から内腿を指でなぞりながら移動させて……。 
ぬりゅり。 
「んあはあっ…!」 
うわ!キスやおっぱいを触られてるとは、また違う感じ。 
あずささんが四本の指で下からボクの股間を拭い上げたんだ。 
「ほら〜、見てー。 
 真ちゃん、こんなにぐっしょり……。」 
そう言って、あずささんがボクの方に右手を向ける。 
指の間に糸を引く透明な液体が纏わりついていた。 
 
ちゅぷ…ちゅぱ…ちゅ〜……。 
「ん、おいし〜、んふふっ。」 
あずささんが右手の指を順にくわえて、纏わりついた滑りを丁寧に舐め取っている。 
唇と舌がぬらぬらと輝き、瞳を閉じて恍惚の表情を浮かべながら 
指をしゃぶるあずささんを見ていると……見ていると……、 
はあ……はあ……はあ……はあ……、 
自分のお腹の下の方が熱っぽくなって……。 
「あずささん……あずささあん……。」 
「あらー、溢れるお汁が止まらないのねー?真ちゃん。 
 私が欲しいのねー?気持ちよくして欲しいのねー? 
 嬉しいわー。」 
そう言うと、あずささんは両手の親指で 
ボクのぐじゅぐじゅになったアソコを左右に押し広げた。 
「んん……。」 
「さあ、女の子だけの悦びを味わいましょ〜。ふふっ。」 

ボクの剥き出しになった部分に息がかかる程顔を近づけて、あずささんが言う。 
「ああ、真ちゃんのココ……とっても奇麗……。 
 ぜーんぶピンク色で…つやつやに光って…バラ珊瑚みたい……。」 
「ん……本当ですか……?」 
そんなことを褒められて、喜んでいいのかちょっと複雑な気分。 
大体、ボクのそこが一体どうなっているのか、自分でもよく分からないし……。 
でも、あずささんに言われたら、今のボクはどんな言葉だって嬉しいんだ。 
その嬉しさに身体が呼応して、あずささんの言う所のお汁がアソコから滲み出て来るのが分かる。 
「ホントよー。とっても奇麗で……」 
あずささんがボクの目を見て、囁く様に告げる。 
「とっても、いやらしいの……。」 
そして、ボクの股間へと顔を埋めた。 
「んわはあ……!!」 
アソコに暖かくて柔らかい、ぬるりとした感触。 
「んは…うんん…あう…あは…ん。」 
それが何度も上下に往復する。 
あずささん、ボクのアソコ、舐めてる…。 
「んふ…んあ……ああん…いい…。」 
あずささんの舌が、初めはボクのアソコの形をなぞる様に、 
そして段々と強く、滑りをこそぎ取る様に這い回る。 
そこから生まれる、燃えるような快感の熱は、皮膚の下の神経を 
直接逆撫でるみたいに流れて、ボクの身体の内側を掻き乱して行く。 
股とお尻の筋肉に勝手に力が入っちゃうし、 
脚の指先まで痺れちゃって、指が何かを掴むような動きを繰り返してるし、 
顎の付け根の辺りがきゅーっと疼いて、口は閉じられなくて涎が溢れっぱなしだし、 
舌もびーんと緊張しっぱなしで、呂律が回らないし、 
でもそれが気持ちよくって、気持ちよくって……ボク、おかしくなっちゃうよー!  

ふと見ると、あずささんはボクのアソコに舌を這わせながら、 
右手を自分の股の間へと伸ばしていた。 
あずささんの頭越しに見える、薄らと桜色に紅潮した背中からお尻が大きく波打っている。 
ああ、あずささんも気持ちよくなりたいんだ…。 
そりゃそうだよね。ボクがこんなに気持ちいいんだもん。 
ボクもあずささんに同じ様に気持ちよくなって欲しいと思う。 
だけど悲しいかな、ボクにはその方法が分からない。 
さっきまで、エッチなことは、どこかいけないことだと思ってた。 
まして、女の子同士でするなんてもっての他だって。 
そのお陰で、今、あずささんに気持ちよくして上げることが出来ない自分が悔しい。 
本当は違ったんだ。エッチなことは悪くない。 
好きな人に気持ちよくして欲しい、好きな人を気持ちよくしたいって感情は、 
ごく自然に湧き上がるものなんだって分かったよ。 
だから、今はあずささんのくれる快感を余すことなく一身に受けよう。 
あずささんの、ボクを気持ちよくして上げたいと思ってくれる心を感じ取ろう。 
そして、いつか、うん、それもなるべく早く、あずささんにこの快感を返して上げたい。 
あずささんの見ている景色を知りたい。あずささんの感じている気持ちを知りたい。 
二人で一緒に気持ちよくなりたい。  

「はくっ…はふ…あぐ…はうっ…あが…あふ…んふう…。」 
ボクのバカになってしまった口から発せられる喘ぎと、 
ぬっちゃ…にっちゃ…ぷちゅ…ちにゅ…ぬちゅ…ぬりゅ…、 
あずささんの舌がボクのアソコで繰り返す湿った音と、 
「んふ…ん…んん…っふ…んん…んふ…ん…。」 
あずささんの艶かしい鼻息とがお風呂場に刻んでいた一定のリズムが、突如崩れ去る。 
ずちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜! 
「あはあ〜っ…っ……っ……!」 
ちゅっちゅっぢゅ〜〜〜! 
「すっ!吸わ!すはああ!」 
あずささんが、止めどなく滲み出すボクのお汁を啜り始めた。 
「く…うくん…あはあ〜…あああん…。」 
吸引と振動による鋭い刺激は、快感の激流となってボクの身体中を蹂躙し、 
頭の中はぐるぐると真っ白い渦に掻き回される。 
「あ…あ…あ…あはあああ…。」 
息を継ぐ間もなく、今までに体験したことのない感覚が……! 
入ってる…?入ってる…!あずささんの舌が、アソコに入ってるう〜!? 
ボクの、生まれてから何も触れたことのない部分にあずささんの舌が入り込んで来た。 
あずささんは開いた唇を強く密着させて、ボクの中へ、深く浅く出し入れする。 
「ああん…あ…あ…あ…あ…ん…あ…。」 
かと思えば、奥に差し入れたまま円を描く様に内側を舐め回す。 
初めて使う神経は、まるで剥き出しの様に刺激を脳へと伝え、快感の奔流に思考を吹き飛ばされる。 
「な…なん……凄おお…いい…いふ……あああ…んんっ…。」 


「はあ……はあ……ああー……はあ……はあ……。」 
あずささんの舌が引き抜かれたので、胸を大きく上下させながら、 
今までままならなかった酸素の補給を行おうとするも、つかの間、 
アソコの上の方をくっと押し上げられるような感じがした途端、 
「きゃふ!」 
そこからもの凄く衝撃的な刺激が! 
「あっ!あっ!あくっ!?」 
あ、熱い!?…というよりも、 
「あい!い!いあっ!」 
痛い!?痛いよお!! 
突然、熱い蒸気を吹き付けられたみたいな、熱さと痛み。 
ボクは思わずあずささんの頭を両手で抑えて、反射的に腰を引いてしまった。 
あずささんはボクの手を優しく握りながら、頭を上げた。 
「ごめんなさい、真ちゃん。 
 おマメさんを直接は、まだちょっと痛かったわね?」 
ボクも軽く頭を上げながら、あずささんに尋ねた。 
「な…はあ…何ですか?…はあ…今の?」 
「んー?おマメさん…クリトリスはね、女の子が一番気持ちいい所なのー。 
 ……これなら大丈夫かしら〜?」 
そう言うとあずささんは、右手の中指でボクのアソコの割れ目の上の方を、ぐにぐにと捏ねくる。 
「今度は直接じゃなくて、皮の上から弄ってあげるわね…。」 
「あ…あは…いい…いいです…ん…あ…あ。」 
やっぱり熱い。熱いんだけど…… 
「あん…あん…。」 
凄い!凄いよ〜!気持ちいい〜! 
弄られてる部分に、体温が、血液がきゅ〜って集まって来て、 
ジンジン痺れて、疼いて、身体の中心が、頭の中が、どんどん熱くなって! 
「あふん…あくん…それ…あふう…。」 
ああっ、今度は腰が勝手にあずささんの指に向かって行っちゃうよ〜! 
「あはあ…もっと…もっとお…もっ…んは〜!」 
ボクは口からは喘ぎと涎を、アソコからはお汁を溢れさせながら、 
腰を浮かせて、燃えるような快感を自ら求めて行った。  

右手でボクのクリトリスへの刺激を続けながら、あずささんは一旦上体を起こすと 
ボクの身体に沿わせる様に再び身体を倒し込んだ。 
涙で潤んだ視界に、あずささんの顔が迫る。 
顎を突き出すと、あずささんはボクの求めを理解して、キスをしてくれた。 
「んっ…ん…うん……うあ…むあ…。」 
ボクは縋る様にあずささんの唇を求め貪る。 
「んん…んま…ん……んっ……んん…。」 
そんなボクの乱暴なキスを、あずささんは優しく柔らかく迎えてくれる。 
お互いに何度も唇を食み、吸い、舌を絡ませる程に、 
下半身から沸き上がって来る熱も高まって行く。 
唇とアソコが身体の中で一本の熱い線で結ばれたみたいになって、 
その線は頭へと突き抜けて、どんどん太くなって行く。 
「んん…!むうん……!んは…!」 
ボクの身体の中の変化を感じ取ったのか、あずささんは唇を離して 
「うふふっ…最後は、一緒にイキましょ…。」 
と囁いた。 
身体の芯を貫いて頭の中を掻き回す熱い快感に、殆ど何も考えられなくなっていたボクは、 
「……うん……。」 
あずささんの、切なくて優しい微笑みにつられて、頷くことしか出来なかった。  

あずささんが、ボクの左脚を抱え上げ、右腿を跨ぎ… 
「うふふっ……ん…。」 
「はあ…ん…い…。」 
ボクとあずささんのアソコが一つに合わせられた。 
初めて触れるあずささんのソコは、ボクの敏感な部分に沁み入る様に熱を伝え、 
「ああ……真ちゃん…あったかくて〜…。」 
形が分からない程、ぐじゅぐじゅになっていた。 
「ぬるぬる〜…。」 
「へへっ…ボクも…おんなじ事……思いました…。」 
あずささんの、ボクと全く同じ感想に嬉しくなって、告げると、 
「うふっ…。」 
あずささんは微笑みで応えてくれた。 
そして、腰をゆっくりと動かし始める。 
ぬりゅ…ぬりゅ‥ぬちゅ…ちにゅ…くちゅ…。 
「おふ…あふ…はあ…はあ…いい…いいよお…。」 
にゅるにゅるとした蠢きが生み出す快感の熱波が、擦れ合う度に大きくなりながら、 
ボクの感覚を埋め尽くして行く。 
その熱で身体の中が溶けてるんじゃないかって思う程、アソコからお汁が溢れ出てきちゃって、 
触れ合っている部分の境界が分からなくなってくる。 
何かもう、ボクとあずささんがくっ付いちゃったみたいだよ。 
あずささんを見ると、右手でボクの左脚を抱きしめながら、 
左手で自分のおっぱいを揉みしだいてた。 
「はあ…はあ…んうん…はふ…はふ…。」 
桜色に上気した身体を艶かしく波打たせ続けるあずささんの、 
切なくて、それでいて熱っぽい喘ぎに、 
「あうう…あく…ああ…ふうん…んふう…。」 
無意識のうちに自分の胸を摩り始めていたボクの喘ぎがシンクロして、お互いに高まって行くのが分かる。 
「はあっ…はあっ…あず…さ…さん…はあっ…きれ…い…。」 
「んふ…真…はふ…ちゃん…真ちゃん…も…よお…。」  

あずささんの声のトーンが一段高くなると、 
「ああ…!んふ…!あは…!うん…!あうん…!」 
腰の密着が強まり、その動きが早く、激しく、そして不規則なものに変わった。 
より鮮明になり、予測できない快感の律動は身構える事も許さないで、ボクは無防備に晒されるしかない。 
さらに、規則性なく動くあずささんのアソコは時折ボクのクリトリスを直に捉える…! 
「はあ…はあ…んぐ!…はあ…あっく!…あふ…あん…はふ…ああう!…。」 
あずささんの腰の動きに操られる様にボクの身体も意識もぐねぐねとうねり続け、 
クリトリスへの断続的な衝撃が貫くと、白い快感の熱波の膨らむ速さを増して行く。 
もう、脳ミソまで溶けちゃったみたいで、ぐるぐると回って、上も下も、右も左も分からない! 
目は開いてるんだけど、何にも見えないよ!?白くチカチカしてるだけ! 
変だよ…!変だよ!!おかしいよ〜!!! 
でも、その変なのが気持ちいいよ〜!!!! 
変なのに、その気持ちよさをもっと捕まえていたくて、もっと大きくしたくて、 
自分の胸を揉みしだくボクの手が止まらないよ! 
「あずささん……!!」 
変です!怖いです! 
「あず…さ…さん!」 
いいです!気持ちいいです! 
「あずささーん!」 
好きです!愛してます! 
「あずささん!あずささん!あずささん!あずささん!あずささんんん〜!」 
ああ…。遠くでボクがあずささんを呼ぶ大きな声が聞こえる…。 
「真ちゃん!真ちゃん!真ちゃん!真ちゃん!真ちゃ〜〜ん!」 
ああ…。遠くであずささんがボクを呼んでる…。 
瞬間、膨らみ切った快感の熱波が弾け飛んだ。 
その飛沫が爪先から髪の毛の先までざわーっと広がって、じんじんと染み込んで沈んで行く。 
真っ白…ああ…体中、真っ白だよ……。 
身体を包み込む温かさと、唇への柔らかな感触を微かに感じた所で、ボクの記憶は途切れた……。  

………冷たい…? 
「!?」 
目の前にあずささんの顔が現れる。心配そうな表情を浮かべこっちを覗き込んでいた。 
「あ、プロデューサーさーん!真ちゃんが気がつきましたー。」 
あずささんが顔をボクの方から正面に向けて誰かを呼んでいる。 
「お!そうか!いや〜、よかった、よかった!」 
ボクはあずささんの呼びかけに答える声の方に視線を巡らせた。 
グレーのスーツに白いワイシャツ、臙脂色のネクタイを締めた、少し細めの若いあの男の人は…… 
「プ、プロデューサー!?」 
急に感覚が鮮明になる。 
ここは………レッスンに使うダンスホールの入っているビルのロビーだ。 
ボクはソファの上であずささんに膝枕をされていた。 
飛び起きると、額から濡れタオルが落ちる。一瞬、目眩がしてふらついた。 
「大丈夫?」 
そう言いながら、隣のあずささんが支えてくれた。 
「おいおい、癒されるって言っても、湯当たりする程長湯したら逆効果だぞ、真〜?」 
そう言って少し大げさに両腕を広げながらプロデューサーが近寄って来た。  

「いや、あの…ボクは………いえ、すみませんでした。」 
一瞬言い訳をしようとしたけど、お風呂場で何をしていたのか言える訳もなく、ボクは謝る事しか出来なかった。 
すると、プロデューサーは 
「いや、謝るのは俺の方だよ。真が長湯せざるを得ない程、長湯で倒れてしまう程疲れているのを 
 見抜けなかった俺が悪いんだ。俺の監督ミスだ。すまなかった、真。」 
逆に頭を下げて謝って来た。 
ああああ!プロデューサー!そんなに真剣に謝らないで下さい! 
だって、ホントはボクはあずささんと……!! 
お風呂場での出来事を思い出したのと、プロデューサーへの申し訳なさから身体がカーッと熱くなった。 
そんなボクを見たプロデューサーは 
「う〜ん、まだ気分が悪いか?顔が赤いぞ。 
 夕方からの収録、伸ばしてもらうか?」 
と、言って来た。 
そうだ!今日はTV用のスタジオライヴの収録だったんだ! 
そこで歌う事になっている『エージェント夜を往く』が頭の中で流れ出した途端、ボクは力強く告げた。 
「大丈夫です!プロデューサー! 
 やれます!やりたいんです!やらなくちゃいけないんです!」 
「そ、そうか、そこまで言うなら心配なさそうだな。」 
ボクの気迫が異様に映ったのか、気圧されながらプロデューサーが答える。 
「ま、真ちゃん?」 
ボクの隣に座っているあずささんも少しビックリしていた。 
「よし、真のそのやる気を無駄にしちゃダメだな。 
 車を回して来るから、ここでちょっと待っててくれ。」 
そう言うと、プロデューサーは携帯電話を操作しながらロビーから出て行った。  


「ホントに大丈夫、真ちゃん?私、真ちゃんが余りに可愛くってー……。初めてなのに、激し過ぎたわよね。」 
プロデューサーが見えなくなると、あずささんはボクの方を軽く抱き寄せて告げた。 
「そ、そんな!ボク、凄く気持ちよくって…嬉しくって…。」 
言いながら、また身体が熱くなってしまった。 
「私もよー。真ちゃん。うふふっ。」 
「へへっ。」 
お互いに見つめ合うと、照れくさいような、楽しいような、微妙な笑みが溢れた。 
「それに、あずささんのお陰で分かったんです。」 
ボクはさっきプロデューサーとのスタジオライヴ収録についてのやり取りの時に気付いた事を 
あずささんに伝えたくて、切り出した。 
「分かったって、何が〜?」 
あずささんが本気で分かってなさそうなのを、ちょっぴり残念に思いながらボクは続けた。 
「『エージェント夜を往く』の歌詞ですよ! 
 あずささんと、その…あの…して、この歌の歌詞ってこういう事なんだ!って思ったんです。 
 だから、そのイメージを逃がしたくなくて、今までよりももっと上手く歌えると思って、 
 どうしても今日、ライヴで歌いたかったんです!」 
言いながら、ボクのモチベーションはどんどん高まって行ったんだけど、 
「あら〜。あの歌詞ってー、そう言う意味だったのー。」 
と言う、あずささんの返事に気が抜けてしまった。  

「あずささ〜むぐ。」 
ボクの抗議を含んだ呼びかけは、柔らかな感触に遮られた。 
あずささんがボクの頭を胸にぎゅっと抱き寄せたのだった。 
え?あずささんブラジャー着けてない? 
というか、ボクも下着を着けてる感覚がない。 
……ああ、ボクが気を失ってあずささん慌てたんだろうなー。 
ごめんなさい。 
でも、ボクに服を着せて、自分も服を来て慌ててるあずささんも見てみたいかも。 
「うふふっ。私もね、分かった事あるのよー。」 
あずささんは抱き寄せていたボクの顔を自分の方に向けさせて言った。 
「一人では耐えられない痛みでも、真ちゃんとなら耐えられる、って。」 
あずささんの瞳を見つめながら、昂った気持ちのままにボクは叫んでしまった。 
「なりましょう!あずささん、トップアイドルに!」 
あずささんは微笑みながら答える。 
「うふふっ。そうね、なりましょうねー。 
 それと、素敵な女の子にも、ね?」 
「へへっ。レッスン、よろしくおねがいします!」 
そう言って、ボク達は誓いのキスを交わした 

それから、ボクとあずささんはソファに座ってプロデューサーが戻るのを待っていた。 
お互いに無言だったけれど、握り合ったボクの左手とあずささんの右手の間には言葉以上のものが交わされている気がする。 
透明な自動ドアの向こうにプロデューサーの姿を確認すると、ボク達は立ち上った。 
そして、力強く、軽やかに歩き出す。 
夏の日差しに光り輝く扉の向こうへ……。 


ー了ー  

上へ

動画 アダルト動画 ライブチャット