無題

作:名無し

「ねぇ、真クン?」 

「ん?」 

一人で事務所の廊下を歩いていた。 
呼ばれたから振り返った。 
そしたら、思いっきりキスされた。 
首に両腕を巻きつけられ、息もできないくらい、強烈なキスを。 



「……えーっと、美希?」 
「どうしたの? 真クン」 

きょとんとして、小首をかしげボクを見つめる。 
その仕草は確信犯だと分かってる。 
なぜなら、上目遣いのその目が思いっきり笑っているから。 

美希の直線的すぎる愛情表現に、まだボクは慣れてない。 
そりゃあキス自体はもちろん嬉しいに決まってるんだけど。 
なんかダメなんだ、こういう風に向こうからってのは。 
自分から行くのは全然平気だし、むしろ得意なんだけど。 
こう、あからさまに向こうから来られると、なんだかうまく対応できない。 



「あのぅ、いきなりってか、不意打ちで…ってのは無しにしない?」 
「なんで?ってゆーか、何を?」 

甘ったるい声でわざと聞き返してくる。 
これも確信犯だと分かっている。 
なぜなら、口の端っこがニヤニヤとしているから。 

「だから、えっと…」 

恥ずかしくて言えないボクを楽しそうに見つめてくる美希。 
その目はキラキラと輝いていて、 
ああ、ボクの反応をみて面白がってるんだよなって 
分かりすぎるくらい分かっているんだけど! 

くっ、ダメだ……やっぱり可愛い……。 

ボクの中で何かがハジケた。 
黙ったまま、ぐいっと細っこい手首を掴んで適当な空き部屋に入る。 
今までの経験上、カギを閉めるのは忘れない。 

驚いている美希を強く抱き寄せ、その唇に自分のを重ねた。 
最初は軽くついばむように、何度も。何度も。 





「ぁ、んっ」 

あっという間に甘い吐息が聞こえ始めた 
うすく開いた唇、ぺろりと舐めて、噛んで、互いの舌を絡めあう。 
息することも許さない、深いキスを。思いっきり愛を込めたキスを。 
もうこのまま止められそうもない。 
耳を甘く噛んで、その場でシャツを捲り上げ、白い肌を撫でる。 
立っていられなくなった美希が膝から崩れそうになるのを 
微妙な体勢で抱きとめた。 

そのままカーペットの上にそっと横たえさせる。 
見上げてくる泣きそうなほど潤んだ瞳に一瞬不安になる。 
視線を絡ませたまま、すっと美希の手が伸びてくる。 
ボクの頭ごと抱え込むと、乱れた吐息のまま耳元で囁いた。 


「早く、きて」 



体中の血が沸騰するってこういう事なんだって、初めて知った。 





ワザと音を立てて耳元にキスを。 
柔らかく豊かな胸を攻め、もう片方の手で内腿を撫であげる。 

「やぁ、んっ、ぁあっ」 


とびきり甘い美希の声が、より一層甘くなる。 
と、同時に二人の携帯から軽快な着メロが鳴り響いた。 







「真クンのバカ、強引、ヘタレのくせに」 
「ごめん……」 
「けど、ちょっと嬉しかった」 
「え?」 
「美希、愛されてるんだなーって実感しちゃった」 
そう言っている美希の顔が赤くなっているのにボクは気づいている。 
「まあ……ね」 
「にゃはははっ」 


隣を歩く美希をそっと抱き寄せて、 強く首筋に顔を埋めるように耳元で囁く。 

「愛してる。他の誰にも見せたくない」 



トロンと濡れたような瞳 
薄いピンク色の頬 
艶めかしい唇 
甘い吐息。 


二人っきりだけの時で良い。 
あんな表情、ボクだけが知ってれば良い。 
お願いだから、ボクにしか見せないでよ。 


美希は腕の中で振り向くと、まじまじとボクを見つめてから 
「よく言えました」とばかりに、とびきりの笑顔で優しいキスをくれた。 

間違いなく今、ボクの顔は今日一番、赤くなってる。 




「今日、泊まりに行くから」 
「え? なに突然」 
「真クンのバカ! 鈍感! あんな中途半端なとこで止められたあたしの身にも!」 
「ちょ、美希、声が大きいって」 
「むー……ちゃんとあとで責任、とってよね?」 
「それはいいけど、仕事が終わるまで我慢できるの?」 


「もう、真クンのバカ……」 



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